物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

『叛逆としての科学』2

2015-03-02 10:42:22 | 日記
訳書『叛逆としての科学』と原著のThe Scientist as Rebelを昨日の日曜日にコタツ入ったまま終日読んだ。

訳語としての「叛逆」という語とか科学者Scientistと原題にあるところが、科学Scienceになっているとかrebelという語の訳語が「叛逆」となっているとかちょっと違和感がある。もっとも日本語では科学者という題だとちょっとひっかるのかもしれない。

むかし、科学に階級制があるかとか議論されたことがあるらしいが、科学は階級制をもっていたりはしない。科学をしている科学者は階級制をもつかもしれないけれど。

そうだとすれば、やはり現代のThe Scientist as rebelというのは意味がある。これは私だけの語感かもしれないが、叛逆だとか謀反だとか、陰謀かとかいうとマイナスのイメージがある。

ちょっと不正な感じがつきまとう。それでかどうかは知らないが、前の前のブログでは叛逆ではなく反逆となっている。私にはrebelとは「反抗としての科学者」という風に意味をとっていた。

原著の方には水爆をつくったテラーの話が出ている。テラーにはマイナスのイメージが強いが、C. N. YangとかDysonの語るテラー像は必ずしも悪くはない。Dysonも「人を手助けするテラーという側面があった」との指摘を忘れてはいない。その例と思うが、C. N. Yangの博士論文はテラーが主査をしてくれたという。