先日、ダイソンの「叛逆として科学」(みすず書房)を読んだときにおもしろく感じられたのはオッペンハイマーの科学観である。
オッペンハイマーは原爆の父とも呼ばれてロスアラモスで原爆の製造の指揮を執ったことで知られる物理学者である。
後世からみたら、オッペンハイマーの一番すぐれた物理学上の業績はアインシュタインの一般相対論の方程式のブラックホール解を見つけたことだろうとダイソンはいう。
ところが、このブラックホール解という業績をもとに宇宙に本当にブラックホールがあるのかを探したら、どうですかというダイソンの勧めにまったく興味を示さなかったという。
ダイソンはいう。それはオッペンハイマーの物理学上の関心事は物理の基本となる方程式を見つけることであったからだろうと。
ノーベル物理学賞受賞者のC. N. ヤンなどもオッペンハイマーの最大の物理学的業績はブラックホール解の発見であろうと述べている。そして、オッペンハイマーがもう少し長生きしていれば、この解の発見でノーベル賞を受賞できたのではないかとまで言っている。
ところが、オッペンハイマーはそういう解には関心を示さなかった。武谷三段階論でも本質的段階は方程式の発見といわれているから、方程式の発見がやはり昔の物理学者の夢であったのだろうか。
オッペンハイマーは原爆の父とも呼ばれてロスアラモスで原爆の製造の指揮を執ったことで知られる物理学者である。
後世からみたら、オッペンハイマーの一番すぐれた物理学上の業績はアインシュタインの一般相対論の方程式のブラックホール解を見つけたことだろうとダイソンはいう。
ところが、このブラックホール解という業績をもとに宇宙に本当にブラックホールがあるのかを探したら、どうですかというダイソンの勧めにまったく興味を示さなかったという。
ダイソンはいう。それはオッペンハイマーの物理学上の関心事は物理の基本となる方程式を見つけることであったからだろうと。
ノーベル物理学賞受賞者のC. N. ヤンなどもオッペンハイマーの最大の物理学的業績はブラックホール解の発見であろうと述べている。そして、オッペンハイマーがもう少し長生きしていれば、この解の発見でノーベル賞を受賞できたのではないかとまで言っている。
ところが、オッペンハイマーはそういう解には関心を示さなかった。武谷三段階論でも本質的段階は方程式の発見といわれているから、方程式の発見がやはり昔の物理学者の夢であったのだろうか。