物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

不等式

2015-03-25 12:12:49 | 日記
昨日、書店に行ったら、不等式を取り扱った書を見つけたので、購入した。『不等式』(共立出版)である。

友人の数学者 N さんの論文に私のなかなか理解できなかった不等式があってその証明に苦労したいきさつを『数学・物理通信』に書いたことがある。

N さんは「数学の要諦は不等式である」というお考えの持ち主である。私にはそれがもっともなことなのかどうかの判定はできないが、彼の考えに少しは感じ入っており、それが不等式の書を見掛ければ購入したいという気持ちにさせた。

日本語で書かれた不等式の書は数冊はあるらしいが、そのどれもまだもっていない。いつだったかインターネットの古本市を検索したら、2,3冊が検索に掛かったのを覚えている。

大関清太さんという方がこの書の著者である。多分この書よりも前にも同じタイトルの不等式の書を書かれているのではなかったかと思うが、記憶は定かではない。

代数方程式を解くこととか不等式などにはついぞ関心はなかったのだが、最近少し関心がでてきている。そうはいっても友人の N さん本人は私などよりももっと不等式に関心が深い。

シンクロニシティ

2015-03-25 11:24:45 | 日記
シンクロニシティsynchronicityとは同時性とでも訳すことができようか。

これは偶然の出来事なのだが、同じようなことが起こることを指すと思っている。勝手な解釈かもしれないのだが。

実は『数学・物理通信』5巻3号に「虚数とカルダノ方程式」というタイトルのエッセイを書いてすでに編集段階(発行は6月の予定)であったのだが、昨日『数理科学』4月号を書店からもらってきて読んだら、ちょっと記述のしかたは違うが、発想の似た木村俊一さんの論文記事が見つかった。

タイトルは「代数方程式の天才たち」である。取り扱っている範囲はこの論文の方が私のエッセイよりももちろん広いが、取り扱っているテーマの隠された意図は重なるところがあった。

それでひょっとすると私の書いたエッセイに追加をした方がいいかと思っている。私の書いたエッセイの意図は虚数の意義は3次方程式の解の公式である、カルダノの公式で確立したという趣旨であった。

もっとも私が取り扱った3次方程式は遠山啓が『数学入門』上で取り扱ったたった一つであるが、さらに先のことにはなるだろうが、3次方程式のカルダノの公式を多くの日本語で書かれた数学書でどう取り扱っているかの比較研究をしたいと思っていた。

それらのいくつかの書をちらっと見たところでは解の公式を使う途中では虚数が出てくるが、実は実数の解しかない例をいくつか見かけた。

それで取り上げた例は一例に過ぎないが、かなり普遍的なことであると感じていたのだが、その辺を木村さんはもっと掘り下げているようだ。

木村さんの書かれた書もあるようだが、それを読んだことがない。木村さんの論文は4次の方程式の解を導き方も触れてあるようだし、まだ十分に読んではいないが、5次以上の方程式のことも触れてあるようだ。さすがは数学者である。