熱力学では絶対温度を使う。
この導入の仕方をどう書いてあるか気になって、いくつかの熱力学関係の本を探して拾い読みした。ボイル・シャルルの法則から気体の持つ圧力 p と体積 V の積が摂氏の温度 t と1次関数の関係にあることから、その直線の方程式を求めて絶対温度 T を導入している本が1冊だけあった。これは三宅哲『熱力学』(裳華房)である。
もっている熱力学の本を全部調べたわけではないから、なんとも言えないが、やはりこのように絶対温度を導入してあるのが教育的にはいいと思うが、ケルビン卿がこの絶対温度の導入した理由はもうちょっと複雑そうである。このことは戸田盛和『エントロピーのめがね』(岩波書店)に書かれてあるが、もうちょっとはっきりしない。
いままで絶対温度の導入の仕方についてあまり考えたことがなかったが、一度考えをまとめてみたい。