特殊相対性理論の講義ノートとはいっても普通にある講義のようではないものをE大学の工学部で「応用物理学」の講義の冒頭にしていた。この応用物理学は初歩の原子力工学であった(注)。
これはアインシュタインが導いた有名な質量とエネルギーの関係E=mc^{2}を天下りではなく、導くためであった。
だから、この特殊相対性理論の講義ノートは普通に大学の理学部で学ぶ相対論の講義のようではまったくなかった。そういうふうに導くことなどできない事情があったからである。
それを昔、自著の『数学散歩』(国土社、2005)に再録をしたが、今回「数学・物理通信」の原稿として入力しなおしている。以前にはwordで書いたのだが、それをlatex入力している。
図も書き直すつもりである。あまりきれいな図ではなかったので。
(2024.5.16付記)
このブログでは今にもの特殊相対性理論の講義ノートのlatexによる書き換えが終わりそうな雰囲気で書いてあるが、3年後の現在も一向に進んでいない。
その事情は当分変わりそうにないのは残念である。
最近は少し物理づいていて、定年退職後に4年ほど非常勤講師を務めたM大学薬学部の講義ノートも再入力するつもりである。いつか機会があれば、発表したい。
これはあまりページ数が多くなくて20ページをちょっと超えるくらいである。しかし、この講義ノートの演習問題につけた解答はやはり10数頁であるので、これも付け加えると30ページは超えるであろう。
(注)この講義の内容は私の決めたものではなく、上司の故荒木次郎先生が決めたものであり、この講義の準備のために原子炉の原理をはじめて学んだ。
とはいっても独学である。テクストは大山彰『原子力工学』(オーム社)であった。これも荒木先生の選んだテクストである。この本は読むのが難しくなくていいテクストだったと思う。
しかし、原子炉の臨界条件を解くところが、1か所だけ上の『原子力工学』では明瞭ではなかった。A先生の講義ノートを見てその説明を見つけて、私もそれにしたがった。これはStephanという方の英語のテクストに載っている説明だった。
『原子力工学』で原子炉の原理を教えた方が私と同じにいたとして、この箇所をどう教えておられたのだろうか。
このノートもいつかまとめてみたいとは思うが、いまでは原子炉の理論を面白く思う人など皆無かもしれない。それにこういう講義ノートなどまとめれば、原発賛成ととられる心配もある。
(2024.5.16付記)
もっとも、原発反対を晩年に説いて回った物理学者・武谷三男と豊田利幸さんの著書として、岩波講座「現代物理学」に『原子炉』がある。これは名著だと思われるのだが、ちょっと説明が簡単すぎて、わかり難いのが玉にきずである。