毎年のことだが、松山市勝山通のイチョウだかの街路樹が枯れてしまっていなかったのを妻が安堵している。
冬の間は落葉樹だから、枯れた感じになってそれも秋に枝を切払われて、枯れてしまったように見えた。特に交叉点の十字路のところの木は小さくて足元はコンクーリトで雨水も来ないような感じである。
だから、妻が毎年の冬に街路樹が枯れてしまったのではないかと心配するのも一理がある。ところが4月末になって、青葉が木々から出てくると今年も「あの木たちは枯れてはいなかったのだね」と安堵する。
これはもう半世紀近くも前のことだが、そのころ滞在していたライン川沿いの都市マインツの中央駅前にあった木が私がマインツに住むようになった3月末には枯れ木のようであった。
だが、5月になるとその木から青々とした緑の葉が出てきて、いやあの木は枯れてはいなかったのだなと分かって、感激したことを覚えている。
それくらいドイツの冬は厳しい。私は2月初めから3月20日前後までドイツ南部でスイスとの国境にほど近い大学都市フライブルクのゲーテ・インスチュートで2ケ月のドイツ語研修を受けていて、3月末にこのマインツの町にやってきたのであった。