物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ベクトル空間としての複素数や四元数

2022-08-03 17:25:21 | 数学
一気にベクトル空間としての複素数や四元数のことを書いた草稿をつくった。まだ手書きの段階である。latex入力はしていない。

複素数や四元数の全体には内積(スカラー積)を定義できるので、計量ベクトル空間となる。内積の定義を私は天下りで普通に定義していたのだが、ブルーバックス松岡学『数の世界』によれば、\alpha*\bar{\beta}とその複素共役の和の1/2で定義されるいう。この方がいい。ここで、\alpha と\betaは複素数または四元数である。

もちろん、これは線形代数では標準内積といわれるものである。








ベクトル空間の公理化

2022-08-03 10:31:14 | 数学
佐武一郎『行列と行列式』(裳華房)のp.115に短くではあるが、ベクトル空間の公理化についての歴史が書かれている。それによると

ベクトル空間についての基礎概念を最初に確立したのはGrassmannのAusdehnungslehre広域論(1844)であるといわれている。その後Peano(1888)がそれを公理理論的に整理し、1次写像に関する現代的理論を与えた。

Peanoは自然数の公理論的取扱いを始めた人だと思う。このベクトル空間の公理を定式化した人だとは知らなかった。

いまではほとんどの線形代数のテクストにこのべクトル空間の公理が出ている。