昨夜、NHKの「笑わない数学」を見た。虚数の話だった。
このシーリズは難しい話が多くて、この虚数の話くらいが私に理解できる回である。
その中で私などがするであろう説明とは違う説明が
(-1)*(-1)=1
の説明でされていた。しかし、これは一番普通にされる説明法なのであろう。
これをここで説明しておこう。まず
(--1)*0=0
である。これに異論を唱える人はないだろう。ところで
0=(-1)+1
であるから、左辺の 0 を(-1)+1でおきかえれば、
(-1)*[(-1)+1]=0
である。分配法則を使うと
(-1)*(-1)+(-1)*1=0
であるから、
(-1)*(-1)+(-1)=0
この両辺に1を足せば、
(-1)*(-1)=1
となる。
私の説明ではこういう計算はいらない。まず
1*(-1)=-1
である。これは(-1)をかけることは数直線上のすべての数を数直線上の0のまわりの180度の回転することを意味する。任意の実数 a に(-1)をかけると
a*(-1)=-a
である。
すなわち、数直線上の1は(-1)をかけることによって-1に回転して移ることになる。このとき、もともと0よりも左にあった -1 は180度の回転して1に移る。
こういう説明をすることを私は期待しながら、テレビを見ていたのだが、こういう説明はなかった。残念である。
それと有名なオイラーの関係式\e^{i\pi}+1=0のことも詳しい説明があるかと思って期待して見ていたが、これは時間の関係だと思うが、詳しい説明はなかった。
これも\e^{i\theta }=\cos \theta +i\sin \thetaの図を複素平面上に書けば、これはx軸から反時計回りの半径1の円周上の角度\thetaだけ回転された点を意味している。
\theta =\piとおけば、半径1の円周上の点1はx成分が数直線上の-1のところに原点Oのまわりに180度回転されてくる。これが
\e^{i\pi}=-1
の意味なのである。
数学上での大切な数である、無理数\e, \pi と数 0, 1との興味深い関係が得られたなどと神秘がって述べることには、私はあまり賛成ではない。
オイラーの関係をこういうふうに神秘がって説明するサイトとしてyou-tubeに「ヨビノリたくみさん」のサイトがある。彼のなんでも、わかりやすく教えるという情熱には感服するが、この点だけはあまり感心しない。