残暑とはいうが、暑い。立秋を過ぎると残暑というらしいが、どうしてどうしてまだまだこれからが暑さの本番である。明日はいわゆる終戦記念日であって、第二次世界大戦が日本で終わった。ということは世界で終わったということである。
終戦とはまやかしの言葉ではあるが、なかなか敗戦とはいいずらい。実際は敗戦であったにもかかわらずである。歴史的にわかってきたことはどうも軍部が戦争の結果の予想もしないで起こした無謀な戦争であったということである。15年戦争といわれるからそれは1930年には始まったことになる。1930年は昭和5年にあたるから、私よりも年上の人たちはほとんどこの戦争にどっぷりとつかっていたにちがいない。
私は1939年生まれであるが、もの心ついたときには戦争をしていた。シンガポールを占領したときの祝賀ムードというかラジオの音楽と興奮したアナウンスをよくはわからないながら覚えている。そういう時代に育った人々の大多数は戦争を批判するということなど論外であったにちがいない。
だが、それでも戦争に批判的な人はいたのだ。だが、それが多数を占めることはなかった。教育のなす業だろうか。現在は食料も石油もその他ありとあらゆるものを外国に頼っているから、戦争などはできないことはわかっている。もっともわかっていない人も多くいるのだろうがともかくも食べるものもガソリンもすぐに尽きてしまうのはわかりきったことだから戦争が好きな人でも戦争へと走ることはできない。
ただ、日本の近くでは戦争を起こさないで、不安を煽って兵器をつくらせ、儲けようとする産業は後を絶たないだろう。資本主義は儲かればいいのでそれが国民の税金を掠め取るような行為であろうとなんであろうとする。倫理などというものは期待できない。人がどんなに困ろうと石油の確保のためにイラクで戦争を始めたアメリカがいい例である。
それに対してもちろんアメリカ国内でも反対が大きかったが、議会を多数を占めていた当時の共和党とブッシュの政府は戦争を強行した。その結果は現在の通りで泥沼化している。
最近ではイラクの情勢よりもアフガニスタンでの情勢の方が悪化しているというが、本当のところはわからない。治安がよくならず、生活が安定しなければタリバンが復活してくる可能性は捨てきれない。人民の支持なしにはどの政治勢力も安定な政権を保持し得ない。