物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

開かれた心

2017-08-04 12:26:36 | 日記

をもつことが必要だとつくづく感じている。私などなんでもあまり新しいものに関心がないが、それはあまりいいことではない。

そういえば、あまり行ったことのないところへの関心とかがあまりない。これは小さいときからそうなのだ。私の故郷の I 市の前に大島という名前の島がある。そこは母の故郷そのものではないが、親戚が住んでいたりしたので本当は私が行きたいと思えば、何回も行くことができたはずだが、あまり行ったことがなかった。

最近ではしまなみ海道の一部である、来島大橋で大島に渡ることも簡単であり、ときどき島の展望台や下田水の七輪焼きの海産物をときどき食べに行ったりする。だが、親戚とはいってももう遠い親戚があってもそれはほとんど他人である。そういうことであまり私自身は開かれた心でない。

なんでも自分の経験は限られるので、その経験を豊かにするという工夫をしたいとは思うが、なかなかそうはならない。


橋とトンネルの健康診断

2017-08-03 11:45:38 | 科学・技術

全国につくられた橋やトンネルの数はかなりの数に上る。それらの多くが前の東京オリンピックのころ(1964年)につくられた。それでそろそろガタが来ており、それらを保守したり、補修したり、新しいものに代えなければならない。

ところが、いままでたとえば、トンネルだとトンネルの天井の壁をハンマーでたたいて変な音がすれば、そこの箇所がいかれているというような手仕事による診断であった。これは人数もいるし、なかなか手間のかかる仕事である。同じようなことは橋についても行わなければならない。

ところが、先々週のNHKの「サイエンスゼロ」の放送では橋とかトンネルとかのレーザー光やX線または超音波による自動的な検査装置がいま開発されてきており、人手のかかる打音検査から解放されるときも近いという。

日本の技術水準からするとこういうことがもっと早く考えられてもよかったはずだが、それでもようやくにしてそういう装置が開発されるための基礎研究がされるようになった。将来が楽しみである。

橋とトンネルの数を比べるともちろん、橋の数が圧倒的に多い。どれくらいの数だったのかは覚えていないが、百万のオーダーではなかったと思うが、数十万のオーダーではあろう。トンネルはさすがに橋ほど多くはなかったが、それでも十万まではいかなかったと思う。

もしか、トンネルの天井とか橋の損傷個所の深さとかを知りたいならば、ホログラフィーの技術を使うことも考えられれるが、そこまで検査装置は精密でなくてもよさそうであった。

昔、大学に勤めていたときに上司の教授が集中講義に呼ばれた講師の方が、非破壊試験のエキスパートであった。そして、原子炉の壁とかタンカー等の船舶の鋼鉄製の船壁の損傷個所を調べるためにX線による被破壊検査装置の進歩は素晴らしいと聞いたのはもう何十年も前である。それがようやくトンネルとか橋の損傷個所の検査に役立つ時代になってきたのはめでたい。


分数ものさし

2017-08-02 11:59:41 | 数学

昨夜のNHKの「夏休みの自由研究」という番組を見た。いろいろな自由研究があるということを知らされて興味深かった。その中で紹介されていたのだが、小学生で分数ものさしを発明した方がおられる。この人はもう中学生になっているが、小学生のころに分数ものさしというものを発明した。商品化の話もでているらしい。

たとえばとして使い方を教えていた。1/6に1/3をたすときには直線上に分数ものさしの1/6を印をつけ、そこからさらにその直線上に1/3をたすと、その端点はちょうど1/2になっている。これだと普通に筆算で分数の足し算をするときに通分するという操作が必要だが、この操作がいらない。

異分母をもった足し算には通分という操作が常に必要だという私たちのもつ、通念を打ち破ったものであり、とてもおもしろかった。だが、よく考えてみるとこれは当然のことであろう。

この分数ものさしには静岡大学のお名前は憶え損ねたが、なんとかいう先生が関心をもたれたとかであった。そういえば、「数学散歩」か「数学の散歩」という私の本のタイトルに似た研究をされた方が静岡大学だったかにおられた。別にこの先生を私が恨んでいるわけではないので、誤解のなきように。

もっともこの分数ものさしが本当に実用にも耐えるものかどうかはよくはわからない。この辺は計算尺というものをかけ算とか割り算で使うということを私たちの年代ならかろうじて経験しており、それは有効数字が3桁なら、早く計算できる。もう半世紀以上の昔であるが、大学院生のときに夜間の予備校の先生として物理の講師をしたときに、筆算では数値計算がなかなかはやくはできないので、やむなく計算尺のお世話になったことがある。

この予備校はいま世間を騒がしている加計学園がはじめてつくった学校であったと思う。

(注)普通の電卓では小数の計算しかできないので、分数の計算がそのままできる簡易型の電卓が売り出されたことがある。いまでも、まだ市販されているのかどうか知らないが、最近の数式処理のプログラムではもちろん分数計算もできるが、それを簡単化したようなものを小学校の先生向けに市販されたのであった。しかし、これは分数ものさしとはまったく異なったものである。

 


元素セシウムCs

2017-08-01 11:47:55 | 日記

AR元素周期表によれば、「セシウムを用いた原子時計は非常に精度がよくて、誤差は1億年に一秒以下とされる」とあるが、セシウムが有名なのはこのことよりも半減期30年のセシウム137という放射性同位元素があり、これが原発から放出されて自然界にまき散らされたことによる。もっと昔では原爆実験によるセシウムの外界への放出は有名であった。

東京電力の福島第一原発では4基の原発が津波の後の事故によりまわりの外界に放射性の元素をまき散らした。それでもヨードのような半減期が数日のものはあまり影響が一部を除いてないけれども、セシウム137は半減期が30年と長いから問題となる。

さすがに高木仁三郎著の「元素の小事典」(岩波書店)にはこのことを逃さず書いている。

セシウムはアルカリ金属で水に溶けやすく、動きやすいことが環境汚染問題を深刻化しているという。ナトリウムやカリウムといった人体にとって必要な元素と性質が似ているので、人体に取り込まれやすい。