ドイツ語の面倒なところは形容詞の付加語的用法で変化語尾がつくところである。
特に外国人としてドイツ語を話すときにはこれに困ってしまう。たくさんドイツ語を話す機会があれば、自然に身につけることができるのだろうが、残念ながらそういう環境にはない。それでも少しづつ慣れていくしかない。
形容詞に語尾がつく基本的な考え方は知っていたが、今日Signalendung(標識語尾:私の勝手な訳語)という言葉を初めて知った。
形容詞のつく名詞の性、数、格によって語尾が異なるのだが、それはその前にある冠詞類がSignalendung(標識語尾)を持つかどうかによって決まる。もっていなければ、その機能を形容詞が引き受けることになる。
ドイツ語の統語論学者はさすがにきちんとした概念を用語として表しているものだと感心した。
もっともわからないのは形容詞の弱変化語尾がeかenであるというのはいいが、einen grossen roten Kreis(一つの大きな赤い丸(円):この場合は対格(4格))の後ろのgrossにつくenと、rotにつくenは確かに弱変化語尾といってしまうとそうかもしれないが、それだけでは説明が不十分なような気がする。
男性名詞の不定冠詞の対格語尾ein(en)にあわせて、gross(en)とrot(en)と語尾が一致すると響きがよいというような語感があるのではなかろうか。(この場合の3つの語のかっこ内は変化語尾を強調するためにつけた)。
ドイツ語の統語論の研究者の方々、そこをもう論理的に少しつきつめてくださいませんか。