物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

形容詞の変化語尾

2018-11-16 12:17:31 | 日記

ドイツ語の面倒なところは形容詞の付加語的用法で変化語尾がつくところである。

特に外国人としてドイツ語を話すときにはこれに困ってしまう。たくさんドイツ語を話す機会があれば、自然に身につけることができるのだろうが、残念ながらそういう環境にはない。それでも少しづつ慣れていくしかない。

形容詞に語尾がつく基本的な考え方は知っていたが、今日Signalendung(標識語尾:私の勝手な訳語)という言葉を初めて知った。

形容詞のつく名詞の性、数、格によって語尾が異なるのだが、それはその前にある冠詞類がSignalendung(標識語尾)を持つかどうかによって決まる。もっていなければ、その機能を形容詞が引き受けることになる。

ドイツ語の統語論学者はさすがにきちんとした概念を用語として表しているものだと感心した。

もっともわからないのは形容詞の弱変化語尾がeかenであるというのはいいが、einen grossen roten Kreis(一つの大きな赤い丸(円):この場合は対格(4格))の後ろのgrossにつくenと、rotにつくenは確かに弱変化語尾といってしまうとそうかもしれないが、それだけでは説明が不十分なような気がする。

男性名詞の不定冠詞の対格語尾ein(en)にあわせて、gross(en)とrot(en)と語尾が一致すると響きがよいというような語感があるのではなかろうか。(この場合の3つの語のかっこ内は変化語尾を強調するためにつけた)。

ドイツ語の統語論の研究者の方々、そこをもう論理的に少しつきつめてくださいませんか。

 


県知事と市長の投票に行った

2018-11-16 11:25:43 | 日記

18日の日曜日は市長の県知事の投票日であるが、不在者投票に行ってきた。妻が車を出してくれたので、行くことができた。

最近は不在者投票をする人が多くなっているが、私もその一人になった。8時15分ぐらいに目を覚まして、朝食をつくり、新聞を半分くらい読んで、支度をして出かけた。

市役所の支所での投票だったが、不在者投票の通知書に記名して出かけたので、数分で終わり、すぐに投票所からでてきたので、妻が驚いていた。


『ガロアの数学』

2018-11-15 11:52:54 | 日記

を昨夜拾い読みしていてほんのちょっとだけ理解が進んだ。もっともはじめのところがわからない。

拾い読みはいまは第3章の「ラグランジュ・群・体」の初めの部分である。方程式を解くということと解の置換との関係を2次方程式と3次方程式とについて書いてあるところを読んだ。

この章の第1節のところだけを読んだ。そのあとは抽象的になりそうだが、そこよりも具体的なところがおもしろい。というかあまり抽象的なことは頭がついていかない。

昨日はこの書の一部に不満があると述べたが、こういう風に書いてあるならば、昨日の不満は小さなことである。


時間がとれないが、

2018-11-14 11:26:32 | 数学

なんとか時間をとっていくつかの原稿を書きたい。

いま拾い読みしている金重明『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)のpp.28-31の書き方に不満を感じている。

それに以前に出版された長沼伸一郎さんの『物理数学の直観的方法』(通商産業研究社)の「e^{i\pi}=-1の直観的イメージ」にも不徹底との感じをもっている。

前に購入した本の宮腰忠『高校数学+¥alpha』(共立出版)の序文の冒頭部分に、著者が書いてあるのだが、

「ある年の最初の授業は遅刻者が多く、彼らを待つ間基礎的なことでも話をするかと、負数の演算について話し出しました。”マイナスのマイナスはプラス”、負*負は正”だね。なぜだ。その日はそれらを解明するするつもりはさらさらなく、”そうなるように数学は創られてあるのだ。文句あっか”てな調子でやったら、なんと馬鹿受け。その日の授業はチョウ(超)ノリノリであった」

とあります。これは数学を教える人としては、すこし情けないというのが私の偽らざる気持ちです。

こういう反応がまだあるのなら、そういう反応がなくなるように私たちの努力がまだまだ足りないということです(注)。

 (注)中学校の数学の時間に「負*負=正」とか「正*負=負」とか教えられるわけですが、それが高校生くらいになって複素数を学び、その極表示を知れば、きちんとそれが合理的に定義されていたことを知ることができる。

中学校ではちょっと難しいかもしれないけれど、数直線を導入してマイナスの数をかけることが、この数直線上の原点の周りの180度の回転であることがキーポイントです。

数直線上の正の部分は原点の周りの180度の回転によって負の数となります。またこのこのとき負の数は正の部分に回転で移っていきます。このことは正*負=負、負*負=正を表しているわけです。

またもう一度、数直線を原点の周りに180度の反時計方向の回転をすれば、数直線上の負の数はすべて負と負の数の掛け算が正の数を与えることは自明です。

このことをきちんと説明するのが、複素数の極座標表示での積の定義です。このことは高校生くらいになれば、十分にわかるはずと思っています。

 


12月が近づいているが、

2018-11-13 11:57:50 | 数学

12月に発行予定の「数学・物理通信」の原稿はあまり私の手元にはない。私が自分で書いた「四元数」(補遺4)(改訂版)を書き上げているが、まだ札幌在住のSさんからは原稿が届いていない。そのうちには届くのだろう。

だが、ちょっと原稿が圧倒的に足りないかもしれない。それでも現在ほかに仕事をもっているので、補足の原稿を書きづらい状況である。

アイディアとしては複素関数の「分岐点の定義」についての昔のエッセイを書き換えたいという気があるのだが、それに取りかかれるかどうかはわからない。

このことはすでに『数学散歩』とか『物理数学散歩』(いずれも国土社刊)に掲載したエッセイであるが、分岐点の定義を私に納得させた、この分岐点の定義を書いた本もごく少数だが、出てきている。これを私の知る限りでの時間をおっての文献学的追及をしておきたいとも考えている。

話は全く別だが、小著『物理数学散歩』は私の手元には200冊近くの在庫になっているのだが、古本としてアマゾンコムでは8000円くらいの高い値段がついていたりする。こんなに値段が高いと誰が購入するのだろうと思ってしまう。この書を高く評価していただくのは著者としてはとてもありがたいけれども。

実はある方が私に、このブログのコメントを通じて、連絡をしてこられ、アマゾンコムの古本での価格の1/10の価格の800円でお分けしたといういきさつもある。

定価でも1200円と高くはないのだが、著者割引としての価格であった。もちろん、送料は実費を300円くらい支払いして、いただいた。

『数学散歩』はもう在庫が20部をきっているが、『物理数学散歩』のほうはまだ十分に在庫がある。

 

 

 


松坂和夫著作集の発行

2018-11-12 12:55:46 | 数学

今月、松坂和夫著作集、全六巻が岩波書店から発行になった。

このブログでもそういう企画があるとは知らずに、彼の著作のいくつかをこのブログに書いた。その中で私のもっていなかった第1巻『集合・位相入門』と第3巻『代数系入門』を注文しておいたら、先週末に来たとメールで連絡があったので、今日取りに行ってきた。

松坂和夫『数学入門シリーズ』は次のような構成になっている。

1.集合・位相入門

2.線形代数入門

3.代数系入門

4.解析入門 上

5.解析入門 中

6.解析入門 下

である。この中で『線形代数入門』と『解析入門』とはすでに持っていたので、今回は購入しなかった。『解析入門』は大判で6冊本であったのを3冊に編集しなおしたらしい。

松坂さんには高校数学程度と思われる、『数学入門』6冊があるが、今回はこの6冊は『数学入門シリーズ』に入っていないのは残念である。

松坂先生はいまをときめく、数学者の新井紀子さんの一橋大学時代の先生であるらしい。新井紀子さんの松坂先生の紹介の折り込みが付いていた。

一橋大学法学部に入学したのに、その後、数学者となったという異色の経歴を新井紀子さんはもっている。こういうことが可能なことは一般の人にとっても大きな希望が持てるものである。

(2024.4.3付記)
新井紀子さんの名を知ったのは私の知人のTさんとの関連である。このTさんは以前にアメリカのイリノイかどこかで数学を教えている方とメールかなにかで懇意になってその方の著書を日本語に翻訳して出版したいと思われた方である。

この本はその後、新井さんの翻訳で講談社ブルバックスとして出版された。ドナルド・コーエン(新井紀子訳)『アメリカ流 7歳からの微分積分』である。

私の知人のTさんはコーエンのワークブックをどこかで出版してくれないかと探したが、どこも出版してくれるところはなかったらしい。コーエンのワークブックの方が彼の著書よりも興味深いというのが、Tさんの評価であった。

数冊のこのワ-クブックを T さんはコーエンさんから送ってもらったらしいが、その1冊を私に下さった。今でも大事にもっている。まだ私が大学に在職中のことであったから、これは2005年よりは以前のことである。

その後、このTさんとは連絡がなくなったので、いまも彼が健在なのかどうかは知らない。

健康フェスタ

2018-11-12 10:49:01 | 日記

昨日は朝早くから医療生協の生協病院で健康フェスタがあった。妻の所属する支部も模擬店を出すので駆り出されてテントの下で半日を過ごした。

豚丼とか赤飯とか渋ガキ50袋とかを完売した。豚丼は100食ぐらいだし、赤飯も50食くらいだろうか。

豚丼は350円で、赤飯は200円であり、渋柿は一袋100円でどれもお買い得であった。午後1時過ぎには完売して、賄のお昼食をいただいた後で、跡かた付けをして午後2時過ぎに自宅に帰った。

最後には餅まきがあったので、4つ5つ拾って帰った。夜にそれを安倍川餅にして食べた。


歯の治療に行っただけなのに

2018-11-10 11:58:41 | 日記

昨日の午後は椅子によりかかって眠ってしまった。

シュレディンガー方程式を級数展開で解こうとしただけなのに、計算が面倒くさいとなると手は止まるし、眠くなってしまう。

実はその前に文字のおきかたが、どうも私の計算とは一致していなかったので、どうしようかと悩んでいた末だった。一応こちらは自分の方針を貫くことにしたが、解の形が級数部分を含めて因子が3つあり、これを1回微分すると3つの項が出てくる。それをもう一度微分すると9つの項が出てくる。

そんなことを考えていたら、眠くなってしまって数時間も眠ってしまった。

それでいて、昨夜は12時過ぎに寝たのだが、不眠にはならなかったから、私はよほど体力がないのであろう。


『数学ガール』 -ガロア理論-の最終章

2018-11-09 12:12:17 | 数学

テレビを見ないときの夜には『数学ガール』-ガロア理論ーの最終章を読んでいる。これが読み終えた部分をもう一度この章の最初から読み返すという風に読んでいるのだが、昨夜もちょっと時間がとれたので読んだが、なかなかはじめ読み進めたところまで到達しない。

そうは言ってもこのやり方を変える気もいまはもっていないので、なかなか初読のときに到達した箇所までは届かない。よくわかっていることなら、こういう風には読まないのだが、あまりよくは知っていないことなので、こういう読み方を採用している。

初読で到達していたところでは、すべての補題はもう過ぎて、いくつか目の定理であった。そこを忘れたかのような読み方である。定理も補題も証明をしてあるわけではなく、例を挙げてその定理とか補題を理解するという風であり、例の説明はわかりやすく、難しくはない。

これは証明をするととても長くなり、この本の記述の簡明さを損なうという判断がされたらしい。

もっともこういう方法をとったことにはあまり賛成しない方もおられるであろう。


Nullbockを検索したら

2018-11-09 11:55:51 | 日記
何のことはない。自分の書いたブログの記事が出てきた。

インターネットでNullbockの意味を書いたものがないかと調べようとしていたのにである。これには笑ってしまった。

話は別になる。最近のパソコンでは前もって何か入力しようとしたら、ほかの語が出てきてしかたがない。もともと入力を補助するために考えられたシステムだのにかえって入力の邪魔になっている。

こういう風な経験はこのシステムを作った人は考えてはいないのだろうか。

小川修 三『量子力学講義ノート』

2018-11-08 12:36:22 | 物理学
小川修 三『量子力学講義ノート』第2部の編集を10月の半ばから行っている。

ところがいたるところで分からないことに遭遇している。いまも散乱問題の章にとりかかっているのだが、結合問題のときとは様子がちがう。それは境界条件がちがうのだから、はじめからわかっているのだが、私の計算とはちがうのである。

どうもSchiffの"Quantum Mechanics"の記述にしたがっているようなのだが、記号がちがっている。それだけではない。取扱い方がちがうのだ。それがちゃんとした首尾一貫したものになっているのかを調べていかねばならない。

ちょっと前のところでもおかしなことが書いてあると思って、しばらくその解釈に困ったが、そこはなんとか意味を推量して注釈をつけておいた。「ひょっとしてナンセンスなことを書いているのでは?」、なんて失礼ながら思ってしまった。

それでも「小川さんがナンセンスなことを書くはずがないよな」と再考してそこの話の筋をつけた。これが実際に彼の講義を聞いたことがある人なら、すぐに思いつくことだろうが、実際には私は彼の量子力学の講義を聞いたことがあるわけではない。

それで、ひょっとして彼がまちがえたのではないかとなどど思うことが絶えないのである。小川さん、すみません。

(2024.6.10付記)
この講義録の第3部はだいぶん前にとりかかったが、作業が頓挫している。どなたかが手伝ってくださる方がいれば、大歓迎なのだが、そんな奇特な方はいないだろうな。

caseの意味

2018-11-08 11:28:22 | 日記

caseはいろいろな意味を持つ英語である。こういう語はもともとどういう意味を持つ語だか知る必要がある。しかし、外国語としてこの語を学ぶ場合にはどうしてもそれに対応した日本語としてまず理解する。

私のもっている英和辞典の訳語では11もの訳がついている。

1.場合、実例
2.事情、実情
3.(主に道徳をめぐる)問題
4.事件、事態
5.主張
6.(保護・救済の)対象
7.症例、病状
8.訴訟、裁判
9.(文法)格
10.変人
11.恋愛沙汰

訳語としてはもっとたくさんあるが、その中からいくつかを選んでいる。

大学4年生になり研究室に入った時に、はじめて英書の購読をしてもらったが、このときにas is the case,・・・というような文章が出てきたときに、それが事実ならとか
それが成り立つときにというような意味だといわれて、はじめとまどったのを覚えているが、これはそういうcaseという語の使い方を全く知らなかったからである。


primeurとmarchande des quatre saisons

2018-11-07 11:29:40 | 日記
八百屋とはmarchand(e) des quatre saisons(直訳は「四季の商人」)と思っていたが、最近primeurともいうと知った。その間にほぼ50年くらいの年月が流れている。

文字通りには八百屋はmarchande de l'egumesというのもあるらしい。l'egumesは野菜を意味する。primeurは「はしりの野菜・果物」を意味するらしい。

仏和辞典によれば、marchand(e) des quatre saisonsは「大通りの」八百屋という意味らしいので、なかなかフランス語を少しかじったくらいの私の手には負えない。

ちなみにprimeurは女性名詞でune primeurと覚えるとよい。

散乱問題での波動関数

2018-11-06 17:29:18 | 物理学

を求めるなどということは書物では見たことがないような気がする。

もっとも散乱をした後の波動関数とそのフェーズシフトphase shift(位相のずれ)を求めることを、大学院生のころはそういうことばかりをコンピューターで計算していた。

実際にしていたのは、二つのチャンネルがあって、その一つはもちろん弾性散乱のチャンネルであるが、もうひとつは非弾性散乱のチャンネルである。それをシュレディンガー方程式として連立させて数値的に解くということをそれも3年近くにわたってした。

ところが、その二つのチヤンネルの波動関数のユニタリティ(確率)が満たされていないということになって、計算は全く信用してもらえない。もちろん信用してもらえない理由があるのだが、自分たちの実感としては計算が間違っているという気がしないからこまった。

その解決は長くかかり、けっきょくは非弾性散乱の波動関数の正規化がうまくされてなかったということでそれを修正したら、ことは収まった。


それで2年から3年かけてやってきた計算は結果的にはこの正規化だけで、問題がなくなり、すべての計算結果は生き返った。それで論文を書けそうになったのは博士課程の2年の終わり頃であった。

どうも研究室の先生方にも、私たちはできの悪い奴だという烙印がおされていたのだが、少しづつ挽回できるようになった。もっとも間違いにはほとんど同時に共同研究のパートナーの H 君と私とが気がついたから、不思議なものである。

パートナーの H 君は頭のいい男だったが、そのあやまりの箇所に気づいてからも、やることが早いので、すぐにその検討にかかったけれども、あまり綿密に検討するという気質ではなく、やはりだめだったとがっかりして早々に家に帰ってしまった。

その彼の残した計算結果をよくよく吟味したら、なんのことはなく、ユニタリティは精度よく満たされていることがわかった。翌日でてきたパートナーの H 君が大喜びしたのはいうまでもない。

原子核の研究者がそばにいたら、気がついて注意をして、あやまりの起こしそうな箇所を教えてくれたのだろうが、研究室のメンバーもそういうことをやったことがない人たちばかりであり、迷路にはまったのはしかたがなかった。


あみだくじの接続

2018-11-06 11:25:51 | 数学
『数学ガール』ーガロア理論ー(ソフトバンクバンククリエイティブ)の中に出てくるあみだくじをつなげる話がよくわからない。

それで置換として考えるようにしたのだが、どうも私のやってみた置換と結果が異なっていた。それが不思議だったのだが、あとのほうに来ると説明があって、番号のついた場所のところへ数字をおくという考えだとあった。

それがあるあみだくじの後ろに別のあみだくじを接続する場合だとそうだが、あるあみだくじの前に別のあみだくじをつなげるときには置換と同じにするという。

結城さんはあみだくじの図を描いて説明をされているのだが、いつも絵を描くのは面倒だし、実はなかなか何をどう考えているのかが実はわかりにくいのである。S_{3}のときを考えているときでも、なかなかむつかしい。

そのことには触れないで話が本の半分くらいまで進んでしまう。私などはそこにちょっと危惧を感じてしまう。それもあるところまでは置換と結果が一致していたのだが、ある所からあわなくなってしまった。

そのところよりちょっと後にようやく意味の説明があった。S_{3}の場合には正三角形の回転とか裏返しとも考えられるので、それでも試みてみたが、それは置換の場合と一致するような気がする。それでどう考えたらいいのかわからなくなった。

あみだくじなんてのはわかりやすいというのはちょっとした迷信かもしれない。