【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「2009年、自民党滅ぶ」「地方議員1300人も時差をおいていずれ消える」安住淳さん

2008年12月26日 21時43分53秒 | その他

 民主党の頼れる兄貴、安住淳(あずみ・じゅん)。宮城5区で小選挙区全勝、国対委員長代理として、2008年国会(第169常会、第170臨時会)の民主党圧勝の功労者です。

 安住さんは12月26日付メールマガジン「安住淳国会通信342号」でことしをふりかえりました。

 「臨時国会が終わり、今年の政治日程はほぼ終了した。まさかこの一年で福田首相が政権を投げ出し、後継の麻生首相が、これだけ支持率の低い状態になっているとは思いもよらなかった」と本音を明かしました。この状態で国対委員長代理として、闘ったのですから本当にタフネスガイです。

 やはり与党との調整役ですから、「私の方から見てもそうなのだから自民党や公明党から見たら誤算どころか、奈落の底という感じだろう」と与党に同情しました。国対ならではの配慮です。

 そのうえで「来年は麻生氏とともに自民党が滅ぶのか

それとも麻生氏が予算と引き換えに辞職をして、
後継の後継のまたその後継の5人目の首相にバトンタッチをして解散して滅ぶ
 
のかどちらかだ。」

 との認識を示しました。

 つまりNHK解説委員のフリップのように示せば、


      2009年の政局 2つの可能性 
      ①麻生総裁とともに自民党が滅ぶ
      ②後継総裁とともに自民党が滅ぶ


 という2通りのパターンが考えられるという分かりやすい解説です。

 「つまりいずれの道を選んでも自民党は滅ぶと私は思う」。

 安住さんはさらに「県議会議員が一千三百人もいるから、この地方政治家は、とりあえず自民党に残り、地方の自民党は存続するかもしれない。しかしそれも時差をおいて消えていく」と解説しました。

 安住さんは元NHK、僕は元日経ですが、僕は安住さんと全く同じ認識です。

 ◇

 ことしの4月30日の衆院本会議で自民党と公明党は「参院の見なし否決」「憲法59条による衆院の3分の2による可決」という憲政史上に残る暴挙(参院軽視ならぬ無視、数の横暴)を働きました。

 このとき本会議傍聴の前、私が国会内の廊下にいましたら、安住さんの大声が国会中に響きわたりました。どうやら議員秘書を叱り付けているようです。うろ覚えですが、たしかこんな内容だったような気がします。

 「なぜ丸坊主が食堂にいるんだ?」
 「議院規則のどこに見学者がひとりで歩いていいと書いてあるんだ?」
 「あなたはどこの事務所だ?」

 何のことだか、さっぱり分かりません。安住さんはこう続けました。

 「今日が何の日か分かっているのか」  

 要するに「いつもと違う日」なのに、いつも通りに後援者の方を国会見学に案内するという日常活動をしていた議員秘書を叱っていたのです。民主党として、自分たちが今、歴史を作っているという認識を持て! 安住さんの声が響いた後、国会内はシンとひきしまりました。

 しかし、その後、なぜかハマコーが議長室前にあらわれ、ひきしまった空気はメチャクチャになりました。自民党の常套手段です。いい加減にしろ。

(補足説明)
 「見なし否決と再議決」は56年ぶりのことでした。そして5月20日付読売が「支持率低下の背景には、ガソリン税の暫定税率復活や後期高齢者医療制度導入への国民の強い不満がうかがえる」と書いたとおり、民主党は第169通常国会を完勝し、→閉会中の9月に福田首相が政権を投げ出します。4月30日は極めて歴史的な日だったわけです


 安住さんは2008年最後の「国会通信」をこう締めくくりました。

 「国家にとってのピンチではあるが、一方では大チャンスだ。150年続いた官僚中心政治は今年で終わりにする。 そしていよいよ来年は新しい政治行政体制を作る一年とするのだ。私は人生のすべてをかけて2009年に臨むつもりだ

 安住さんは国会議員、僕は民間応援団員ですが、僕も安住さんと全く同じ認識です。

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(安住淳国会通信342号から全文引用)

安住淳が斬る! 

「安住淳が国会で感じた事」「いろんな課題への自分なりの考え」
など安住淳の今の思いをタイムリーにお伝えします(2008.12.26発行)

              「ピンチはチャンスの来年」

 臨時国会が終わり、今年の政治日程はほぼ終了した。 まさかこの一年
で福田首相が政権を投げ出し、後継の麻生首相が、これだけ支持率の低
い状態になっているとは思いもよらなかった。 私の方から見てもそうなの
だから自民党や公明党から見たら誤算どころか、奈落の底という感じだろう。
 今にして考えてみれば、やはり10月に日程をずらさず解散をすべきだった
のだ。 麻生首相が天命に背くからこんなことになった。 これを彼が挽回す
るのは無理である。 だから来年は麻生氏とともに自民党が滅ぶのか、それ
とも麻生氏が予算と引き換えに辞職をして、後継の後継のまたその後継の
5人目の首相にバトンタッチをして解散して滅ぶのかどちらかだ。 つまりい
ずれの道を選んでも自民党は滅ぶと私は思う。 まあ地方に県議会議員が
一千三百人もいるから、この地方政治家は、とりあえず自民党に残り、地方
の自民党は存続するかもしれない。 しかしそれも時差をおいて消えていく。 
これは、日本の歴史の必然であり、防ぐ手だてはない。
 戦後以来の半世紀以上の流れは、来年で切れる。 いろんな意味で歴史
の転換点になる。官と政の関係も明治維新以来、初めて変わる。 私は官僚
の時代の終焉だと思う。 中央の官僚がすべてを決めて、官僚のその用心棒
であった自民党の政治家たち。この構図で、これまで日本はさまざまな国難を
乗り切ってきたが、この仕組みが通用しない時代を迎えた。 中央集権による
利益配分政治の限界。 少子高齢化による人口減少と産業構造の変化に機
敏に対応できない縦割り行政。
 地方の自立性を無視した中央官僚主義と既得権益を守り、天下り先の確保
のみを目的化した官僚群。 つまりわが国の政治行政体制は、行き着くところ
まで来てしまったのだと思う。
 しかし考えようだ。 これはまさに国家にとってのピンチではあるが、一方では
大チャンスだ。150年続いた官僚中心政治は今年で終わりにする。 そしていよ
いよ来年は新しい政治行政体制を作る一年とするのだ。 私は人生のすべてを
かけて2009年に臨むつもりだ。

 追伸  
 今年のメール通信の配信は今日で終わります。ご愛読誠にありがとうございました。
 来年もよろしくお願いします。 みなさん良いお年をお迎え下さい。

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(全文引用おわり)