【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「全医連」にエールを贈りたい

2008年12月28日 20時23分19秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 圧力団体(pressure group)とは、特定の利益のために、政党・議員・官庁に働きかけて(選挙支援、政治献金、政策提言など)、政策決定のプロセスに実効的な影響力を行使する団体のことです。

 「圧力団体」とは学術用語ですから、会長の顔が恐くなくても、「圧力団体」と呼びます。

 日本医師会(日医)は、会員数16万人以上、開業医と勤務医が入会する日本有数の圧力団体です。全国組織として、総務省に届け出た政治団体「日本医師連盟」は日本医師会の圧力団体で、年間30億円という日本有数の活動資金をもっています。資金提供先の99%は自民党の議員、党組織、派閥です。一部の医師資格を持つ公明党議員、国民新党議員にも資金提供していますが、民主党にはびた一円も提供していません。民主党の中には櫻井充さん(参院宮城)ら医師会員も多いのに、「0円」。経団連などが民主党、同党議員と定期的に会合をもっているのに対し、これほどまでに自民党支持一辺倒の圧力団体は、日医のほかにはJA全農ぐらいです。

 ただし、都道府県組織では、茨城県医師会(茨城県医師連盟)をはじめとする「現代の赤ひげ」たちが、「社会の病を治すために」組織として民主党推薦を決めました。個人として、民主党の後援会に入っている医師は全国にいっぱいいます。おそらく自民党が把握しているよりもはるかに多いでしょう。

 群馬県では、宿直明けに日勤をつとめる連続40時間勤務をしている勤務医さんが、わずかな休日にビラを配りに来てくれているそうです。

 前置きが長くなりました。

 開業医主導の日医に対して、勤務医主導の「全国医師連盟全医連)」が発足していたことが分かりました。

 実は私はそのものズバリ「全医連」という名の組織を、勤務医さんのだれかが立ち上げるだろうと数年前から予想していて、ネット上ではその動きを把握していましたが、28日付朝日1・2面「ルポにっぽん」でついに存在を確認できました。

 朝日記事によると、全医連の代表は長崎県内の療養所に勤務する黒川衛さん(51)。全医連はことし6月発足で、会員数およそ800人。その8割以上が病院勤務医。まあ、現在の会員数は日医の200分の1です。

 「日医を介すると、現場の声がうまく伝わらない」ともどかしさを感じていた黒川さん。勤務医が多忙で日医の活動にかかわりにくいことが、開業医が日医を主導することにつながった。「勤務医はサラリーマンなので、診療報酬にもうとく、医師会(日医)にもあまり声を上げなかった」と語っています。

 「私たちは特定政党と結びつくより、国民や議員に実態を訴えたい」。

 活動の手始めとして、各県にある「労働局」に情報開示を請求しています。公立病院での時間外労働で、労使協定が結ばれているか?、内容と実態はあっているか?--の調査をしているそうです。すでに労使協定がない病院が複数見つかっているとのこと。調査結果に期待。大きく世の中を変えそうです。

 黒川さんは、一党に偏らないとはいえ、「政権交代への期待感はある」と朝日記者の取材に答えました。

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「自分がまさか非正規雇用者になるとは思ってもいませんでした」行田邦子さん

2008年12月28日 16時35分20秒 | 第169通常会(2008年1月~6月)ガソリン国会

 昨年夏の参院選(逆転の夏)で、公募新人ながら、埼玉選挙区で75万票トップ当選した行田邦子(こうだ・くにこ)さん、43歳。

 大学卒業後、広告代理店の「旭通信社」に入社。ここは広告代理店という以上に、あの「ドラえもん」のアニメ版(TV・映画)の著作権者の一者として有名です。「アサツー」では4年9月間、営業を経験。輸入洋酒の販売・マーケティング会社に転職し、4年間を過ごし、広告業に帰ります。その会社とは何と!あの鳴く子も黙る広告代理店ダントツ最大手「電通」。大変なシンデレラストーリーでしたが、一つだけ違っていたことは「契約社員」だったことです。男女雇用機会均等法3期生であり、非正規雇用も経験した行田さん。2年3ヶ月間勤務した後、正社員となり、合計9年間を電通で過ごしましたが、やはり「矛盾」を解決しようと民主党世直しチルドレンの一員になりました。

 自民党にこのような経歴の人はいないでしょう。
 民主党にはいます。あちらさんが言うとおり「民主党は寄り合い所帯」ですから!

 行田さんはとても見目麗しい方です。スーツが似合います。行田さんは組織がありませんから、広い埼玉をもっと知ろうと、駅頭演説をやったり、国政報告会をやったり、頑張りやさんですが、次の選挙は4年半後ですから、もっと腰を落ち着けて国会内でじっくりやっても大丈夫だと思いますよ、僕も応援してます(^_^)v

 というわけで、前々からアップしたかったことし4月の議事録をご紹介します。タイミングを逸してしまい、アップしていなかったんですが、年末というタイミングで“タイムリー”になってしまいました。幸か不幸か・・・

【参院決算委員会 2008-4-28】

○行田邦子君 

(前略)

 お手元の資料四に現在の労働者の置かれている状況をまとめてみました。今、働く人の三人に一人が非正規雇用者となっています

 私自身も会社員として十八年間働く中で、二回の転職をして、都合三社で勤めました。三社目の会社では非正規雇用者として働いた経験があります。それまでの約九年間は正社員でした。大学を卒業して一社目に就職した当時は、

自分がまさか非正規雇用者になる

とは思ってもいませんでした。



 特に非正規雇用者の中には女性が多いんです。そして、第一子を出産して働く女性の六割もの人が、職場に復帰せず労働市場から姿を消しています。子供が大きくなって働けるようになっても、職場が見付からない、労働市場になかなか戻れない、戻ったとしてもパート、アルバイトといった非正規雇用の場合が大変多い。

 そして、年収二百万円以下の労働者はついに一千万人を超えてしまいました。ニートの数も増えています。フリーターの数も依然多いです。特に年齢が上がってきています。

 就職氷河期に学校を卒業した方々が定職に就けないまま、行き場を失ったままなんです。これは本当に深刻な問題なんです。彼らがこのまま、もし定職を見付けないまま年を取ったとき、両親が、経済的に支えてくれていた親がいなくなり、そしてこのままだと生活保護者になる可能性もあるんです。

 生活保護世帯はついに百万世帯を超えました。生活保護世帯の中には、働くことが可能な人、働く意思がある人ももちろんいるんです。働くことが可能な人、働く意思のある人がきちんと、安定した職場、安定した収入を得られるように、今こそ政治が積極的に手を差し伸べなければいけないと思います。

 今、医療制度、年金制度の問題点が様々指摘されていますけれども、これらの医療制度や年金制度を支える働く人たち、現役世代が今このような環境に置かれていては、どんな医療制度も、どんな年金制度も成り立たない。

 舛添大臣にお伺いしますが、年金、医療そして労働について担当されているお立場として、どのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(舛添要一君)

 先般、新雇用戦略というのを作りまして、まあ二百二十万人という数字を挙げましたけれども、今おっしゃったように、フリーター、女性、高齢者、こういう方々、それで、フリーターにも年長フリーターっております。きちんとこのきめの細かい施策をやっていきたいというふうに思っています。

 どこかの世論調査にありましたけれども、やっぱり常用雇用というのがそれは普通だし、今、年功序列賃金を求めるとか、ずっと同じ会社にいたいという声が高まっています。一時期は、バブルのころなんかはもう働き方の多様化とか雇用の流動化ということで、そうじゃない方向がもてはやされましたけれども、私はやっぱり今の国民のニーズは生活の安定だということにあると思います。そしてまた、これは年金の記録問題、今一生懸命やっておりますので、これは頑張って続けていきたいと思いますし、長期的にどういう年金制度であればいいか、これはもう与野党の枠を超えて国民的な議論が必要だと思います。(後略)


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