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宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

つなぎ3法案が審議入り 

2011年03月29日 15時17分52秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

(初エントリー日時は2011年3月29日(火)午後3時20分)

【2011年3月29日(火) 衆院財務金融、総務、厚生労働各委員会】

 自民党の責任政党ぶりはさすがです。

 先週、3つのつなぎ法案が議員立法で提出されました。

 国税つなぎ法案、地方税つなぎ法案、子ども手当つなぎ法案がそれぞれ、予定通り午後2時50分から、衆院の財金委、総務委、厚労委でそれぞれ審議入りしました。

 正式な法律名は
 国税つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案」(177衆法4号)
 地方税つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律案」(177衆法5号)
 子ども手当つなぎ法案は「国民生活等の混乱を回避するための平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の一部を改正する法律案」(177衆法3号)です。

 国税つなぎ法案は、野田毅さん、地方税つなぎ法案は、石田真敏さんら自民党と公明党議員の議員立法。子ども手当つなぎ法案は、城島光力さんら民主党と国民新党の議員立法として提出されています。

 審議のもようなどは追って、このエントリーに追記するか、更新するかっこうで、お伝えします。

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本予算が参院で否決 両院協議会へ 参・世耕、林、丸川 vs 衆・中井洽、下地ら武闘派【追記あり】

2011年03月29日 13時41分35秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[2011年3月29日(火) 参院本会議]

 午後1時から参院本会議が開かれ、前田武志・予算委員長が、本予算3案について、審査の結果を報告しました。この後、討論では、水戸将史さん(神奈川、民社協会、2009年代表選では岡田陣営)が民主党・新緑風会を代表して「賛成」しました。自民党からは予算委筆頭理事の衛藤晟一さんが「反対」しました。

 午後1時25分から、採決。参議院本会議場には、1997年から押しボタン式投票システムがありますが、予算案では記名投票採決(堂々めぐり)をします。

 午後1時35分、本予算3案は、投票総数241、賛成109、反対132の大差で否決されました。

 西岡武夫議長は「衆議院から両院協議会を求められることになります」と発言しました。なお、両院協議会は国会法の定めで非公開。また、国会議事堂中央部分の「委員長室」(与野党幹事長・書記局長会談のアタマ撮りでおなじみ)という狭い控え室で開かれる関係上、インターネット、国会内ケーブルテレビなどでの生中継は一切無い、閉鎖的な環境で議事が進みます。さらに国会法、両院協議会規程では、両院のすりあわせ案を議決するためには、「3分の2以上の賛成」が求められるため、衆院10人、参院10人の合計20人の協議委員の14人以上が、党利党略を越えて、一つのすりあわせ案に賛同することは極めてあり得ないルールで、両院協議会のルール改定は待ったなしの状況にあると考えられます。

【追記 2011年3月29日 午後2時30分】

 衆院は本会議を開き、参院から予算案が返付されたことから、両院協議会協議委員を選挙しました。ちなみに協議委員10人は、連記式で投票することになっています。ただし、議事進行係の動議により省略され、議長が指名しました。協議委員は、中井洽さん、中川正春さん、武正公一さん、手塚仁雄さん、若泉征三さん、城井崇さん、後藤斎さん、三日月大造さん、津島恭一さん=以上9人は民主党、下地幹郎さん=国民新党です。さて、両院協議会での議論はどうなるでしょうか?

【追記おわり】

【追記 2011年3月29日 午後3時】

 参院は本会議を再開し、両院協議会協議委員を選挙=議決により議長が指名=しました。協議委員は自民党から岩城光英・元官房副長官、衛藤晟一さん、世耕弘成さん(議場内からえーというどよめきが)、林芳正(元経財相・防衛相)さん、丸川珠代さん、山本順三さん=以上6人は自民党、加藤修一さん、長沢広明さん=以上2人は公明党、水野賢一さん=みんなの党、井上哲士さん~日本共産党という武闘派中心の10人になりました。衆院の協議委員には中井さん、三日月さん、下地さんら武闘派が多いです。かなり白熱した両院協議会になるのではないでしょうか。ぜひネット中継をしてほしいものですが、両院協議会はアタマ撮り以外は、マスコミにも非公開です。ぜひ、次回からはネット中継をしてほしいものです。

【追記おわり】

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参院予算委員会が予算審査を終了

2011年03月29日 12時38分20秒 | 第177常会(2011年1月)大震災・3党合意

[写真]参院予算委員長をつとめた民主党(全国比例)の前田武志さん

【参院予算委員会 2011年3月29日(火)】

 参議院予算委員会(前田武志委員長)は、2011年3月29日、平成23年度総予算(一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算)の審査を終えました。

 参・予算委員は45人ですから、起立採決の結果、賛成少数で否決されました。委員数からして、前田委員長を除き、「賛成21 vs 反対23」ということになったのかと思います。

 3月4日(金)から審議がスタートし、初日から手ぐすねを引いていた自民党スター陣がヒットを連発。とくに、西田昌司さんが前原誠司外相(当時)の京都市の焼肉店主の女性からの献金について、「在日(外国籍)の方です」との答弁を引き出し、政治資金規正法違反の可能性を指摘しました。金曜日の夕方に菅総理の隣のナンバー2の席に座っていた閣僚が、月曜日の午前9時にはいないという「政界は一寸先は闇」を感じさせる「恐い」光景の中の、3月7日(月)の基本的質疑では、民主党が質問。とくに吉川沙織さんの「今、世の中には、体感不安がある」と指摘したうえでの、若年雇用者対策事業の充実には、TV中継を見た人から激励の電話が殺到しました。とはいえ、この「体感不安」というキーワード、与党では最年少の参院議員だけにハッキリと物を言ったわけですが、その4日後の、東北、日本、世界を襲う未曾有のピンチを暗示していたようにもなんとなく感じます。

 2月の衆院予算委員会での予算審査は前半は「子ども手当のマニフェスト1・6万円→2・6万円引き上げの経緯」、終盤は「厚生年金から国民年金への切り替え漏れによる運用3号」が議題となりましたが、参院では違った方向からスポットライトを充てるという、両院制(二院制)にふさわしい審議の兆しがありました。3月8日(火)には、日程闘争のかけひきに使われやすい「中央公聴会」の日程を早々に議決することができました。

 3月9日(水)は一般的質疑が10時スタートで、その前の午前9時から衆院側の委員会が大臣の所信聴取をしたり、夕方の午後5時過ぎから衆院・財務金融委員会で予算関連法案の「居残り授業」が始まるなど、ねじれ国会による予算関連法案の衆院残留による、積み木細工のような国会日程となりました。

 3月10日(木)も午前9時から衆・総務委員会で、予算関連法案第1号として、公害財特法が可決し、午後1時からは、参院予算委員会でTV入り集中審議となるなど慌ただしい日程が続きました。

 そして、翌3月11日(金)は参院の第1委員会室を使って、決算委員会が開かれているさいちゅうに「3・11大震災」が起きました。

 その後、3月22日(火)から、参・予算委員会は再開し、副大臣や政務官が答弁するという異例の事態となりました。また質問もほとんどが震災関係に集中しました。感極まったり、いつもよりも低いトーンの議員が数人いました。

 そして、きょう3月29日(火)、18日ぶりに参院予算委員会に登場した菅総理は、冒頭に発言を求め、「柔軟な対応に感謝します。特に野党のみなさま」と述べました。しめくくり総括質疑のなかで、みんなの党の小野次郎・理事の質問にこたえて、中野寛成・国家公安委員長は、「センセイの後輩である警察官はがんばっている」としたうえで、通行証の発行について、「臨機応変というよりも、むしろギリギリのなかでチャレンジした日々だった」として、報道されないなか、各府省の官僚たちの不眠不休の努力があったことを明かしました。社民党党首の福島瑞穂さんに対して菅首相は「補正は4月中に組む」「法人税引き下げの取り止めを考える」と答弁しました。また福島さんの「福島市議会が『福島第1原発の廃炉を要求』する決議をした、廃炉をしてください」と促すと、菅首相も「一定の期間を経て、安定したうえで、その可能性(廃炉)は高い」としっかり答弁し、評価できると思います。

 正午過ぎに質疑は終わり、討論に入りました。

 自民党の猪口邦子理事は、「反対」。ちなみに参院自民党はこの3月に「解散に追い込む」としていましたが、これが不発になったのは「3・11」ではなく、そもそもの作戦にムリがあったからです。まだ2年以上衆院任期が残っているこのタイミングで、参院自民党が追い込めば追い込むほど、民主党は解散できなくなります。「西田砲」の一発ホームランで、前原外相を辞任させただけで尻すぼみとなりましたが、まだまだ健全野党になりきれていないと言わざるを得なく、ある意味、先方にとっても良かったんじゃないかと思います。

 民主党・新緑風会の水戸将史理事は「賛成」し、「未曾有の国難では私たち国会議員は党派を越えて、予算を成立させるべきだ」とし、「予算関連法案の早期成立」も同様だとし、野党に頭を下げました。

 公明党は長沢広明さんが「反対」。震災復興のために、本予算の「見直し」が必要だとしました。とくに「すでに破綻した」マニフェストの歳出を被災者・被災地支援と復興に回すべきだとしました。

 みんなの党の桜内文城さんは「反対」。衆院でみんなの党の予算組み替え動議を出したことを踏まえて、「震災のため審議には協力してきた」けれども、改めて同党の案を使うべきだと主張しました。

 日本共産党の大門実紀史(だいもん・みきし)さんは「反対」。とくに震災と原子力災害による補償の予算を求めたりするなど、公明党に次ぐ地域政党として組織からボトムアップで情報が集まっていることを伺わせました。

 「たちあがれ日本・新党改革」(両党の統一会派)の片山虎之助さんも「反対」。とくに歳入と歳出のバランスから「欠陥予算」と断じるなど、自治官僚として毎年、いろいろな政府予算を見てきた経験を感じさせました。

 社民党党首の福島みずほさんは「反対」。「社民党は国会で唯一の脱原子力の政党として、長年原発に反対してきました。力及ばずこのような原子力災害が起きたことは慚愧に堪えません」といつもとは違ったトーンでの演説でした。

 討論が終局し、午後12時37分。採決。起立少数。よって、否決されました。

 ◇ 

 前田委員長は、28日付の議員としてのメルマガで「当委員会においても挙国一致でこの国難に当たり、国権の最高機関としての国会の責任を果たそうという意思があって、二十二日から予算委員会を再開させました。委員会質疑では被災地に直接間接に関係する議員も多く、的確かつ前向きの真剣な議論がなされました。厳しい指摘を含めて実行部隊の政府にとって意義深い質疑とあった確信しております」と振り返っています。

 予算案はこの後、午後1時から予定されている参院本会議で、賛成少数で否決します。否決ですので、参院は衆院に「返付(へんぷ」します。その後、日本国憲法第60条第2項にもとづき、衆院の議決が国会の議決となります。

 全体的に、編成のしかたがていねいだったことと、答弁での安全運転があり、衆参とも審議がノンストップで続き、いい審査ができたと思います。お疲れ様でした。

 で、エントリーの最後にひとつ申し上げますが、西田昌司さんはあまりにもヤジが酷すぎます。当選1回生ながら、「西田国会」となった第177通常国会の本予算審査でした。

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