【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「神津里季生連合会長は最低最悪の会長」とする私(宮崎信行)の発言で芝博一民進党役員室長と小競り合いも一件落着【追記有】

2017年07月13日 18時28分22秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]蓮舫民進党代表(右)の定例記者会見にのぞむ、芝博一役員室長(左)、2017年7月13日、筆者・宮崎信行撮影。

 「労働基準法第14条など改正法案(189閣法69号)」について、連合の神津里季生会長が、安倍晋三首相をたずねて、修正を申し込むとの報道について、民進党の蓮舫代表は「けさ、神津会長から電話があり、コミュニケーション不足だったことを陳謝したい、と謝罪を受けた」ことを、明かしました。2017年7月13日(木)の定例定刻の記者会見で表明しました。

 これを受けて、私・宮崎信行は関連で質問し、「2年半、審議入りもせずにきた法案を、神津会長が官邸を訪れて修正を申し込む、つまり、成立を容認するということは、国会内での闘争を、任期切れまじかの連合会長が、後ろから鉄砲を撃つようなもので、人としてどうか、連合発足以来(の歴代会長の中で)最低最悪の会長ですよ。どう思いますか」と問いました。

 これに対して、蓮舫さんは「連合さんは政府との関係で、(働き方改革実行会議で)さまざまな提案をされると思うが、連合内部でも闊達な議論が封じされるべきでない」とし、神津会長以外の役員や、産業別労働組合などの代表者に異論があることを、認める発言をしました。神津会長の支持が強い蓮舫代表として、踏み込んだ発言です。

 ここで、司会役の、芝博一役員室長が私に対して、「今の(質問者の)発言の中に、記者会見の場にふさわしくない発言があったので、そこは議事録から抹消しますけど、いいですね」とのアナウンスがありました。私はすぐに飲めない話なので、記者会見後に話しましょうと提案。言論の自由の封殺になりかねない事案だと考えたからです。

 

 続く質問で、フリージャーナリストの田中龍作さんが「ふさわしくないから抹消します、とはどういうことか。どの字句がふさわしくないかはピンとくるが、それでも抹消しようとはどういうことか」、フリージャーナリストで元北海道新聞編集委員の上出義樹さんが「今のは非常に重要な問題で、評価の問題であり、罵倒している言葉ではない。相手(神津さん)にとっては聞き良くない。私は反対であり、民進党はやってはいけない」と語りました。

 ここで、蓮舫代表が「一つだけ、私たちは情報公開、透明性を重んじているが、中継されていることもあり、いろいろお思いのことはありますが、個人攻撃にあたるかのようなことは、私としてもお答えしづらいので理解してほしい」とまとめました。ただ、私としては、後で私と役員室長が話し合うということで鉾が収まった話なのに、代表が党本部生中継などが入っているところで、人物の評価にあたることに言及したので、これは私も、その場で承服しかねると、意見を口頭で述べました。

 私が、「最低最悪の会長ですよ」と行ったことが奇貨となったのか、この後、労働基準法改正案などをめぐる神津会長と党や連合内部の関係について、5者(社)から5問ありました。私も含めると、合計7者から7問あったことになります。記者、蓮舫代表とも、連合内部にも異論があるとの認識を共有したうえでのやり取りが続きました。


[動画]民進党の蓮舫代表の2017年7月13日の定例記者会見、動画の著作権者は民進党。

 その後。

 記者会見終了後に、芝さんが「宮﨑さんごめんね」と声をかけてきました。私はまず、坂上隆司・民進党役員室職員と3者で話し合いたいと提案。坂上職員は同党の代表・幹事長記者会見を5年以上切り盛りしています。結論は、議事録はそのまま残すことにしてもらいました。芝さんから、この記者会見の議事録は、メールなどで連合など各所に行くから私が困るのではないかとの趣旨の話があり、私は連合の7代の会長のうち4代の取材経験があったうえで発言しているとしました。

 話はすぐに収まりました。

 帰宅後に、動画などで確認すると、私の言い方は自分で聞いても、不愉快に感じました。仮に私が神津さんだったら、とても不愉快に感じるし、心が痛むでしょう。とはいえ、綸言汗のごとく、私に二言はありません。

 きょうの混乱には、代表の二重国籍問題の再燃で、出席者が多かったものの、芝室長が来週に公開するとして、質問を制限しようとしたことでやや不穏な空気につつまれた伏線があるでしょう。

 都議選後、国会閉会中に、永田町と世論は混乱している気がします。きょうの記者会見をめぐる、混乱は、きょうのうちに、これにて一件落着となりました。

【追記 2017年7月16日 午後2時半】

 民進党のホームページに載った、議事録は次の通りです。

民進党ホームページから抜粋引用はじめ]

(前略)

【フリーランス・宮崎記者】

 この労働基準法の14条の改正案は2年以上前に出てきて、その時点では労働者派遣法改正案もあったが、派遣のほうは成立したが、労働基準法14条のほうは2年以上成立もさせない、審議入りもしない状況で来ている。手続はどうであれ、連合会長が修正に応じるということは、成立に応じると、普通に考えればそうなると思う。そういった国会内での闘争を連合会長が後ろから鉄砲を撃つようなことを任期間際にするというのは、ちょっと人としてどうかなと思う、神津さんというのは。連合発足以来最低最悪の会長だ。代表は、立場でおっしゃれないかもしれないが、どう思われるか。

【代表】
 やはり「残業代ゼロ」法案というのは、我が国で働く労働者全員にかかってくる労働環境の変化というものがもたらされますので、その中身においてはより慎重に、なおかつ最大限の情報公開をしながら、政府には丁寧な説明責任が求められるものと思っています。
 その部分では、今回、連合さんは政府との関係でさまざまなご提案をされると伺ってはおりますが、連合の中でも闊達な議論というのは封じられるものではないと思っていますので、そうした健全な議論を経て連合さんがどのような判断をするのかを、私達が口を出す立場ではないと思います。
 ただ、我々は公党として、その労働法制の中身が納得できるものなのかどうなのかは、しっかりと独自の判断をするべきだと思っています。

【芝役員室長】
 今の発言の中でちょっと、あまり記者会見の場でふさわしくない発言がありました。そこは議事録から抹消しますが、いいですね。

【フリーランス・宮崎記者】
 それはじゃあ、終わった後に話しましょう。

【芝役員室長】
 これは我々としてもきちっとした公式の場ですから。後で話をしましょう。

【フリーランス・田中記者】
 ふさわしくないから抹消します、というのはどういうことでしょうか。宮崎さんの質問は、どの字句がふさわしくなかったのか、僕はピンとくるが、それでもやはり抹消するというのは好ましくないのではないか。

【芝役員室長】
 後で話し合いをしましょう、ということです。発信しますから、全てこの中身は。質問側も答弁側も。

【代表】
 ちょっと丁寧にやらせてください、そこは。

【フリーランス・上出記者】
 今のは非常に重要な問題なので。記者会見の場で記者が言ったことを、これは言論の自由ですからね、それに反することですから。評価の問題です。罵倒している言葉ではない。確かに相手にとっては聞きよくないかもしれないが、これは相談の意思はないと思う。

【芝役員室長】
 後で発言者と相談させてください。

【フリーランス・上出記者】
 それは私は反対。民進党はそういうことはやってはいけない。

【芝役員室長】
 わかりました。後は宮崎さんに、判断に任せます。

【代表】
 私達は情報公開・透明性を重んじておりますので(代表会見はネット)中継されているますので、いろいろお思いのことはありますが、個人攻撃に当たるかのようなことは、私としても、それに対して直接お答えするのは難しいと、そこはご理解をください。そこは丁寧にやらせてください。

【芝役員室長】
 発言を制限していることは全然ございませんから、考えは。

【フリーランス・宮崎記者】
 今、代表が「中継中に」とおっしゃったが、後の話し合いは入らないので、一言だけ。私の考えだ、と言ったはずです。私はそう思う、とたぶん言っています。

(後略)

[民進党ホームページから抜粋引用おわり]

【追記終わり】

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

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