【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第8次地方分権一括法案、第196回通常国会に提出へ

2017年12月26日 14時20分24秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]内閣府、2017年、筆者・宮崎信行撮影。

 政府は、第8次地方分権一括法案を、平成30年2018年の第196回通常国会に提出することにしました。

 これは、きょう、平成29年12月26日(火)、安倍晋三首相(自民党総裁)が出席した地方分権改革推進本部で、

 「平成29年の地方からの提案等に関する対応方針」が決定。「下記4から6までの事項のうち、法律の改正により措置すべき事項について は、所要の一括法案等を平成30年通常国会に提出することを基本とする」とされました。

 この中では、自治体からの「手あげ方式」により、186件の法規制を改革。

・地域公共交通に係る制度・運用の見直し(地域公共交通会議等の運営円滑化、タクシーによる貨客混載、実証運行期間の緩和等)

・文化財保護を地方公共団体の選択により、教育委員会から首長部局への移管を可能とする規制緩和 (公立博物館も同様の検討)

・所有者不明土地の利用の円滑化等

・無床のへき地診療所における管理者の常勤要件緩和に関する検討

 などが入りました。

 とくに、「所有者不明土地」「文化財保護」などは、他の法案も出ますので、横にらみの進捗が必要になりそうです。

 安倍自民党が進める、構造改革特区及び国家戦略特区により、批判が出ているタクシーの量的緩和などを、後を追う法律案で手直しすることになりそうです。また、保育園や都市公園では、先の法律で規制緩和された法定事項を、さらに、追加で緩和する項目も含まれています。

 衆議院が改選されて初めての通常国会となります。過去の経緯は、インターネットなどで調べやすくなりましたが、実際にはある程度のその改正時点での政界の空気を知っている人でないと、ていねいな審議にはのぞめません。

 これまでは裁量行政でやっていた部分も、改正法律が定まれば、合法となります。自治体職員も根拠法を探すのに手間取ることになるでしょう。第8次、という呼び方をするかどうか分かりませんが、手あげ側で推進してきた、山田啓二全国知事会長が次の京都知事選に出ないそうですので、そろそろ、この方式での改正も見直してほしいところです。

(C)2017年、宮崎信行。


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医療法・医師法改正案が第196回通常国会に提出、医師が少ない地域で勤務の「認定医」創設も経済的インセンティブは院長側に

2017年12月26日 14時02分29秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]厚生労働省、2015年、筆者・宮崎信行撮影。

 「医療法・医師法改正案」が第196回通常国会に提出されるはこびとなりました。

 これは、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会の医師需給分科会の第2次中間取りまとめ」にもとづくものです。

 この中で、医師の地域的な偏在をただすため、知事が地元の大学枠に対して地元出身者枠を設けるよう働きかけることができる制度を提唱しています。

 このほか、無医村など医師が少ない地域で勤務すると、厚生労働大臣から「認定医」とされる制度の開設を盛り込みました。ただ、経済的インセンティブは、病院の経営者に対して与えられることになっています。医療機関の管理者には「地域への貢献まで含めた幅広いマネジメント能力」が必要だとする基準を設けるという程度の改革にとどまっています。

(C)2017年、宮崎信行。

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文化財保護法改正案が第196回通常国会に提出、県教委・市教委事務局の負担増へ

2017年12月26日 13時51分31秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]文化庁、2016年、筆者・宮崎信行撮影。

 「文化財保護法改正案」が、平成30年2018年1月の第196回通常国会に提出されるはこびとなりました。

 これは、文化審議会があす決定する最終とりまとめ「文化財の確実な継承に向けたこれからの時代にふさわしい保存と活用の在り方について(第一次答申)」にもとづきます。平成29年12月8日のとりまとめを文化審議会として決定。

 法改正が必要な事項は小規模にとどまりますが、総務省マター地方分権について懸念させられる部分があります。

 改正法案では、国が「各自治体の文化財の総合的な保存・活用計画を策定する際の基本的な考え方の指針等」を定め、

 県が「国が策定する指針等を踏まえて域内の文化財の総合的な保存・活用に係る大綱的な方針・計画」を定め、

 市町村が「国が示す指針等に基づき,都道府県が大綱を策定している場合には大綱を踏まえつつ,単独で又は他の市町村と共同して,地域の文化財に関するマスタープランとして,域内の文化財の総合的な保存・活用に係る計画」

 を各々定めることができる、としています。

 国は文化庁ですが、県は教育委員会事務局文化財保護課、市は教育委員会事務局文化財保護課などが所管します。

 県、市では、教育委員会は首長部局ではなく独立性があります。このため、教委文化財保護課と、首長部局の商工部観光課は同じ予算で文化財の案内パンフレットをつくることはできません。また、多くの市教委では日教組組織内の教員が役人として採用されています。このため、手続きができる人が限られる閉鎖的な運営がなされています。

 例えば、横浜市のワールドカップサッカーでは、オリンピック・サミット誘致に失敗し3度目の正直を果たした企画局の特命チームが担当していましたが、途中から、市教委の体育課が盛り返しました。消費税法は、教科書を非課税していますが、小中学校の教科書は無償ですので、この消費税の非課税措置は、教科書出版社と市教委担当者しか知らないであろう法律となっています。

 このため、文部科学行政だけでなく、地方自治のガバナンスの視点からの、法案審査が期待されます。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

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