【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「一晩で何百万も稼ぐホストは上限を設けるが、ホストクラブへの休業補償は当然あってしかるべきだ」玉木・国民代表、岡田前副総理は「夜の街言わず、検査して感染者がある所、補償を」

2020年07月08日 22時22分44秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]白い線のように見えるのは、感染防止用のシールド、2020年7月8日、宮崎信行撮影。

 東京都での新型コロナウイルス感染者が連日100人前後にのぼる現状について、知事選明けの野党各党から補償など政府よりもはっきりした発信をしたいとの声が相次ぎました。

 玉木雄一郎国民民主党代表はきょう(2020年7月8日)の記者会見で「戦略なき無策だ。夜の街が悪いんです、ではなく地域を限定してなんらかの営業自粛要請をすべきだ」とし、政府や都の対応を批判しました。

 玉木さんは「ホストクラブを休業補償対象にすると、ホストのなかには、一晩で何百万(円)も稼ぐ人がいるので上限が必要だ」としながらも、風俗営業規制・適正化法などにもとづく「法律で求めるのだから、休業補償は当然あってしかるべきだし、一律に外す方がありえない」としました。

 岡田克也前副総理は同日、「野党として意見を統一して野党のトップに発信してほしい」とし、「夜の街、という言い方をする必要はない。検査をして感染者があるようなところについては、営業を止めてもらって、その分を補償する」とし、新宿・歌舞伎町、池袋などから、東京、神奈川、埼玉各都県に飛び火しているとみられる現状に手をこまねくことに危機感を示しました。


[写真]岡田克也さん、5年前の2015年、宮崎信行撮影。

 玉木代表は新型コロナ特措法(改正新型インフルエンザ特措法)に罰則を設けるべきだとの構想が与野党から浮上していることについて「北風を付加するけど太陽がないのはどうか」とし罰則と休業補償をセットにした改正に積極的に取り組みたい考えを明確にしました。但し、臨時国会が必要になりますが、それを求めるかどうかは言及しませんでした。

 蛇足ですが、衆議院第一議員会館での岡田さんの記者懇談会が終わり次第、国民民主党本部での玉木代表の記者会見に向かったら、2分前後遅れてしまいました。失礼しました。

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大雨による被害で黙とう、衆議院内閣委「PCR自動検査は有用」安保委は「イージスアショア停止後」も議論化

2020年07月08日 21時53分38秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
(初公開は11時15分頃、22時頃に全面的に更新)

[写真]内閣官房・内閣府、先月2020年6月、宮崎信行撮影。

 衆議院は水曜日、参議院は木曜日の「閉会中審査3時間一般質疑」が続きます。きょうあすは、内閣委員会と安全保障(外交防衛)委員会が衆参で開かれ、「コロナ」と「イージスアショア停止代替策」で論戦が繰り広げられます。 

【衆議院内閣委員会 令和2年2020年7月8日(火)】

 「令和2年7月6日からの大雨による被害」の黙祷がありました。

 一般質疑の中で柚木道義さんは「コロナとの複合災害。避難所に行きたくない人もいる。それでは救える命も少ない」として複合災害ととらえて、体温計、フェイスシールド、間仕切りなどを整備するよう内閣府の通知などを働きかけました。

 早稲田夕季(早稲田ゆき)さんは「PCR全自動検査装置を使わないのか」と問うと、厚労政務官の小島敏文さん(広島6区比例復活、岸田派)は「大変有用だ。PCR全自動装置、抗原検査キットは、自治体ごとにニーズが高まっており、厚労省としても使っていただきたい。緊急包括支援交付金で、自治体や医療機関にも使ってほしい」とどこか他人事に聞こえる答弁をしました。

【衆議院安全保障委員会 同日】

 一般質疑では、2013年の防衛大綱をまとめた小野寺五典さんが質問。小野寺さんは「イージスアショア停止までの経緯にはさまざまな判断があったと思う」としながら「もともと24時間365日のイージス艦の負担を軽減しようとしており、その方向で代替策を講じる」としました。

 小野寺さんの発言ですが、筆者が調べてみたところ、たしかに2018年にそういう議論はあったようです。代替策として、海上自衛隊イージス艦2隻新設の構想が報じられています。年末の国家安全保障戦略・防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画では、イージス艦2隻新設で自民党内の議論が収れんされるのかもしれません。

【参議院議院運営委員会のメンバーら 同日】

 本会議場の演壇に設けられた、車いす用スロープを視察。れいわ新選組の舩後靖彦、木村英子両議員らも視察しました。

【野党国対委員長連絡会議 同日】

 梅雨前線による豪雨被害について、衆参の災害対策特別委員会の理事懇談会をあす開いて、政府から説明を聞き、委員会そのものの閉会中審査を求める考えで一致しました。

●あすの予定

 午前10時からの参議院内閣委員会では、矢田わか子さんや田村智子さんらが質問。

 午後1時からの参議院外交防衛委員会では、佐藤正久さんや白真勲さんらが質問します。

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【財務省人事】太田充財務事務次官の構想、民主党政権の総理秘書官ながら岡田「理財局長としてはある意味見事な答弁術だった」玉木「国民のために公平公正な行政をやってほしいと期待する」とひやかしの声も

2020年07月08日 21時30分28秒 | 霞が関人事
[写真]財務省に咲く白百合、4年前の春(2016年3月18日)、宮崎信行撮影。

 財務事務次官に、太田充主計局長が近く就任する、との人事が新聞各紙で報じられましたが、野党幹部から「理財局長としてはある意味見事な答弁術だった」(岡田克也前副総理)、「国民のために公平公正な行政をやってほしいと期待する」(玉木雄一郎国民民主党代表)などと、やや冷やかした感想が述べられ、同省の逆風を感じさせました。

 太田さんは1960年生まれ、島根県出身、東大法学部を卒業し、1983年(昭和58年)旧大蔵省入省。太田さんは8年前、政権交代前の野田佳彦民主党内閣で、内閣法第23条が定める「内閣総理大臣に附属する秘書官」をつとめました。

 安倍晋三政権でも冷や飯を食わさせることは無く、2度目の主計局次長として省に戻り、佐川宣寿氏の次の理財局長、主計局長、事務次官と本人は順風ですが、省は逆風ばかり。本省が命令した近畿財務局の公文書改竄、消費税率に関する「新しい判断」、金融政策をめぐるMMT理論が台頭。太田さんは佐川宣寿氏の次の理財局長として、長時間の答弁を強いられ「いくらなんでもご容赦ください」などの発言が繰り返し報じられました(関連記事)。

 野田首相と同じ首相官邸(及び4号館)に大臣室を持っていた、前副総理の岡田克也さんは、「人事のことは正式に決まってからでないとコメントしません」としながら、野党議員として「太田さんが理財局長のときの答弁はずっと聞いていましたが、そうとう苦労して答弁していました」と語りました。岡田さんは「安倍総理の下での財務省の局長ですから、ある意味見事な答弁術で、嘘は言ってはいないと思うが、ギリギリのところでかわしているな、と思った」とし、「まあ、あれ以外にやりようがなかったでしょうね」と話しました。きょう(2020年7月8日)国会内で記者団の質問に答えました。

 玉木雄一郎・国民民主党代表(平成5年旧大蔵省)も「一役人の人事ですから、政治家としてどうこう言う物ではないが、適正な人事が行われたものと思っています。もし仮に(報道の通りに)事務次官になったら、国民のために公平公正な行政をやってほしい、と期待します」と述べました。党本部での定例記者会見で語りました。同じ会見で玉木さんは「消費税の減税はやるべきだ」とし野党の共通政策にしたいと意気込みました。

 1年ないし2年の在任とみられますが、安倍晋三首相・麻生太郎副総理らが政権の維持をめざし消費税率が政局の焦点となり続けそうで、太田次官のとっさの判断も注目されます。

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