【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【7/28】「新型コロナウイルス感染症も重なり令和2年7月豪雨の再建への気力を失いかねない厳しい状況」&「パジェロ金子批判」12年後の閉鎖決定

2020年07月28日 15時28分34秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]内閣府、六本木ヒルズから、きょねん2019年、宮崎信行撮影。

 まず、12年前に「【国交相にパジェロ金子】「三菱銀行」会長からの献金は三菱自救済の見返り?」との記事を書きました。これは選挙区内に「三菱自動車パジェロ製造」がある金子一義さんが、大臣として税金を投入。その後、三菱UFJ銀行会長から個人献金があると指摘した記事。スクープでした。同社が来年閉鎖されることになりました。パジェロ製造だけで年100億円以上の赤字が出ていたようです。この場所なら、西の岐阜市か、南の名古屋に向かえば代わりの仕事はいくらでも見つかる地域。12年間、時代遅れのレクリエーションRV車をつくるために税金投入は必要なかったでしょう。

 きょうの国会は衆参で災害特の閉会中審査がありました。

【衆議院災害対策特別委員会 きょう令和2年2020年7月28日(火)】

 二階派の代貸し、武田良太防災担当大臣の10分間にわたる政府報告演説。武田さんは「令和2年7月豪雨による被害状況と対処に対する政府報告」だとし「熊本県をはじめとする九州地方に梅雨前線の停滞による豪雨」があったとし、各県の名前を上げました。そして、「新型コロナウイルス感染症による影響も重なり、先の見えない不安をかかえ、再建への気力を失いかねない厳しい状況が続いている」と異例の文言を盛り込みました。

 人吉市が入る熊本4区から、自民党の金子恭之さん、立憲の矢上雅義さんがともに質問しました。金子さんは「県外からのボランティアにPCR検査を受けてもらうことを考えなければならないかもしれない」とすると、内閣府は「熊本県ではボランティアの参加を知事が呼びかけており、4連休の一日には2000人が参加した」とし、コロナ渦での人手不足の懸念は必ずしも深刻ではないとの認識を示しました。石原宏高環境副大臣も災害廃棄物の処理に全力を挙げていることが答弁されました。

 上述の金子一義さんの後継者である岐阜4区、金子俊平さんも質問。金子さんは「岐阜県の下呂市などの災害報道では、道路の崩落現場の映像を撮っていただいている。ただし、下呂温泉には被害はない」と強調。内閣府は、キャンセルが相次いでいるが下呂温泉は変わらず影響できることを答弁で明らかにしました。内閣府はずいぶんきめ細かいですね。

 矢上雅義さんは、「球磨川流域でのこれほどの災害は50年以上ぶり。中小商工業者と農業者には火災保険の水害補償特約を付けていた人が、半分もいないのではないか、と保険会社から聞いた」とし「グループ補助金や、無利子融資、補助金かさ上げなどハイブリッド型の経営支援が必要だ」とうながしました。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 閉会中審査がありました。

 自民党熊本選挙区の馬場成至さんは「改正道路法が施行されたばかりで、道路の復旧を国が代行してくれているのはありがたい」と指摘しました。改正道路法については連日のように「官報特別号外」が出て、国による代行が発令されています。

 足立敏之さんは「地球温暖化の影響だろうが線状降水帯が13回発生した。もっと予報を精緻にできないか」と質問。気象庁長官は「現在の技術では予報は困難だ」と認め「スパコンの活用を進める。大気の状態の確認では水蒸気の流入量のデータを把握するのが難しい」としながら「交通政策審議会気象分科会の提言を踏まえて、予報の精度を上げていきたい」と語りました。

●あすの予定

 衆議院国土交通委員会の閉会中審査3時間コース。政府報告は10分間。「Go Toトラベル迷走の経緯と令和2年7月豪雨」の2本立てで10分間。質疑には、熊本4区の金子恭之さん、矢上雅義さんも2連投。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki