宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

1996年民主党の「コンクリートから人へ」教義からの解放、諫早湾干拓事業「非開門」最高裁確定も農林水産省はお詫び倒し談話

2023年03月03日 06時33分57秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]1996年民主党共同代表就任から27年たち露出は減りつつも立憲民主党最高顧問として今も前線で活動する菅直人衆議院議員、きょねん3月、参議院第一別館内で、宮崎信行撮影。

 最高裁はおととい諫早湾干拓事業の「非開門」を統一判断としました。高裁で開門の訴訟もありますが、非開門で確定します。

 国はゆうべ談話を出しましたが勝訴側とはいえ反省の弁が続きました。

 談話は「有明海の再生を願う皆様へ」「国の対応について、開門、開門反対いずれの立場からも、厳しい御指摘があることは承知しております」「割り切れない思いを抱えておられることは、十分に理解できます。国としては、皆様の一刻も早い有明海再生を願う切実なお気持ちとこれまでの御労苦に思いを致しつつ 」「最新の科学的知見に基づき、有明海の未来を見据えた話し合いを行い合意した有明海再生の方策を、協働して実施していく」「対立から協働へと関係を再構築し、有明海の未来をともに切り拓いていく」としました。

 1997年4月の閉門いわゆる「ギロチン」について、1996年民主党の菅直人、鳩山由紀夫共同代表は「ムツゴロウを守れ」と「コンクリートから人へ」を橋本龍太郎首相らに直談判。政策オタク路線につながる「公共事業コントロール法案」(147衆法25号・筆頭発議者菅直人さん)の策定や2009年政権交代後につながる「コンクリートから人へ」へのスローガンへと昇華していきました。

 その後、2008年に佐賀の漁業者の訴えが認められて「開門」判決。自民党竹下派の実力者・久間章生さん(長崎2区)の道路建設への関与や、谷川弥一衆議院議員の子どもが営農者に加わっていることが明らかになり、佐賀県議会百条委員会に谷川議員が出席しないなど複層から問題が自民党の下野に前後して噴出しました。

 しかし、失われた二十年では、GDPの循環は個人消費に続き政府支出も名目実額でマイナスになっています。自民党は野党時代に二階俊博元総務会長や藤井京大教授、公明党の石井啓一政調会長らが「国土強靭化」で民間シンポジウムを開いたほか、サンダース上院議員のMMTなど積極財政が日本の政策にも取り込まれました。

 立憲民主党は「コンクリートから人へ」の教義の洗脳から解放されるとともに、農林水産省も話し合いの場を設けて、漁業者への補償交渉に乗り出すなど有明海再生の道のりはまだ続きそうです。

 以上です。

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