地中海を泳いだ後。
我々取材班2名は、アクセスサッポロで開催されていた「オールトヨタ ドライブ王国」に立ち寄ってみることに。
40台以上の試乗車が揃うというこのイベントは、「冷やかし試乗を趣味とする者」にとって、まさにど真ん中のストライクといえましょう。
展示車の中で、私の印象に残ったのは、3台。
そのうちの1台が、この「モデリスタC-HR」。
鮮やかなイエローにブラックの加飾が映え、阪神タイガースファンの方の琴線にも響くことでありましょう。
そして、「”GR”ヴィッツ」。
シューズは、205/45R17のPOTENZAで、武装。
ステアリングは、小径の本革巻。
専用シルバープレートのアナログメーターは、「タコメーター」が中心。
そして、もっとも喜ばしいのが、いまや絶滅危惧種となってしまった、3ペダル5MTであること!
税込車両本体価格は、239万2200円と、同じ日に乗った「VWポロ」よりも、10万円ほど、お高い。
また、スズキの「スイフトスポーツ」がもっと安く買えることを鑑みると・・・ううむ、正直言って、やや微妙か(^^;
そして、もう1台は、「ハイラックス」である。
全長5,335mm×全幅1,855mm×全高1,800mmで、車両重量は2,080kg。
思いきりアメリカンな、サイズだ。
加えて、400万円オーバーの、堂々たるお値段!
タイヤサイズは、265/65R17と、ハイトが高めのSUV仕様である。
そしてもちろん、スペアタイヤは、荷室の下というか、お腹に装着。
まあ、その取り外しには、大変な労力を要しそうだが・・・
さて、嬉しいことに。
今回このイベントでは、このハイラックスの試乗車を、用意してくれていた。
なので、嬉々として、私はこのクルマのコックピットによじ登った。
「タイ生産の逆輸入車」である、ハイラックス。
ウインカー&ワイパーレバーの配置は、日本車と同様である。
でかいクルマだが、公道に出てしまえば、高いアイポイントで、前方視界はすこぶる良好。
はっきり目視できるボンネットと相まって、前進方向への車両感覚は、掴みやすい。
2.4リッター4気筒ディーゼルエンジンは、スロットルを開けると、実にスムーズに吹け上がる。
そうと知らなければ、これが「ディーゼル」だと言い当てられないかもしれない。
そして、その溢れるトルクで、この2トン超の重量級のこのクルマを、鼻歌交じりで加速させる。
アイドリング音や振動はそれなりに伝わってくるが、かつてのディーゼルエンジンのそれと比べれば、圧倒的に静かかつスムーズ。
6ATのトランスミッションの出来の良さも、かなりその好印象に貢献しているのでしょう。
ステアリングも、センター付近の曖昧さがなく、直進性はまったく問題ない。
リアサスペンションは「板バネ」なのに、車重の重さが功を奏してか、乗り心地もしっとりとしている。
もっとなまくらなフィールのクルマなのかと想像していたのだが・・・その予想は、イイ意味で、裏切られた。
ちょっとステアリングに感じたのは、「タイヤ表面のざらついたフィール」なのだが、それにしたって「インフォメーションが無い」よりは、ずっとイイ。
インテリア全体の質感やデザインも、決して、悪くない。
ただし。車幅が広い上に、ハンドルが切れなくて(最小回転半径6.4m)、長いリヤオーバーハングのクルマゆえ、バックでのパーキングには難儀しそうだ。
小心者で、かつ、バック駐車失敗経験のある私は、ぶつけるリスクを避けるため、パーキングは試しませんでした(^^;
まあ、ディーゼルとはいえ、カタログ上の燃費は11.8km/Lなので、実用上はリッター7kmくらいか。
どっちにしても、「欲しい人が、指名買いする」タイプの、クルマでありましょう。
さて、続いて試乗させていただいたのは、「アクア・クロスオーバー」(北海道地区税込車両本体価格206万8200円)である。
スバルで言えば「インプレッサ」に対する「XV」のような立ち位置にある、このクルマ。
素のアクアとは、タイヤサイズの変更に加え、プラス30mmの最低地上高を確保している。
さてさて、このアクア。
キビキビ走り、ステアリングフィールも良好で、実に気持ちよく走るコンパクト・カーである。
ただし、このクルマも、なんとなく「ステアリングにざらついたタイヤの感触」を感じたのは、なぜか、ハイラックスと同様。
ひょっとしたら、それは、履いていたタイヤ「エコピア」のせいだったりするのかもしれない。
まあ、できれば、雪道で「最低地上高30mm up!」の真価を確認したかったものですが・・・
それは、又の機会を待ちましょう。
それにしても、さすがはハイブリッド・カー。
私は、「ハイブリッドが地球環境を守る最適の解」だとは考えていないが、この燃費性能には、シャッポを脱がざるを得ない。
アクア・クロスオーバー。やはり、いいクルマだった・・・