現在絶版の、保育社のカラーブックス「自動車Ⅲ」。
著者は「自動車Ⅰ」「自動車Ⅱ」同様に、「宮本晃男」氏である。
この本の発行年は、スーパーカーブーム華やかだった、1977年。
当時すでにクルマ好きのカタログ小僧だった私が、親に買ってもらったモノである。
こういった書物が、わが家には今もって「お宝」として現存しているのだ。
目次は、国&メーカーごとに、スッキリ整然と並んでいる。
背景写真は、1977年日本グランプリに出走した「コジマKE009」だと思料される。
目次の次に掲載されていたのは、今も昔もトヨタの最高級車である「センチュリー」。
そして、3代目マークⅡの兄弟車である「チェイサー」が登場。
美しい日本の「クラウン」。
このモデルは5代目で、そのボディは伝統の「ペリメーターフレーム構造」だった。
「コロナマークⅡ」は、3代目。
「コロナ」は5代目が、掲載されている。
今コロナと言えば、「別のコロナ」が世界を震撼させている状況。
トヨタが、2001年にコロナというブランドを封印したのは、今になってみれば正しい決断だったのかもしれない。
「トヨタ A-1」は、トヨタ初の試作乗用車。
「AB型フェートン」はオープンモデルで、その大半は旧日本陸軍に納められたのだという。
ともに初代の、「セリカ」&「カリーナ」。
ボディスタイルはまったく異なるものの、エンジン・トランスミッション・シャシー等は共用で、同一ラインで生産されていたのだ。
この時代の「セリカ」は「フルチョイスシステム」を導入し、その仕様は数字上「3026万種」が選択可能だったそうだ。
そして、こちらは3代目「スプリンター」。
カローラの兄弟車だが、そのイメージはよりカジュアル。
「アグネス・ラム」嬢のCMも、私の記憶には新しい。
ちなみに、CMソングの歌&演奏は「ゴダイゴ」である。
ベストセラーカー「カローラ」も、同じく3代目。
ジェリー藤尾ファミリーのCMが、印象的だった。
当時のトヨタの最底辺モデルが、この「パブリカ」(2代目)だった。
のちの「スターレット」~「ヴィッツ」~「ヤリス」の、ご先祖様と言えましょう。
続いては、日産車。
「プレジデント」は、2代目。
「セドリック」(4代目)と「グロリア」(5代目)は、すでに「兄弟車」となっていた。
そして、「ローレル」(3代目)と「スカイライン」(4代目)。
この2ブランドも、セドリック&グロリア同様、プラットフォームは共有だったのだが・・・
この時点ではローレルの方が先にモデルチェンジを迎えていたので、より新しいプラットフォームとなっている。
私はこの時代の「ケンメリスカイライン」と、のちの「スカイラインジャパン」が大好きで、常日頃から「次はスカイラインを買いなさい」と、親に進言していたものだ。
「810ブルーバード」に、「2代目シルビア」に、「初代フェアレディZ」。
「3代目サニー」に、「初代オースター」。
この当時の私が最も愛していたクルマが、実はこのオースターである。
CMソングを歌っていたのは、これまた私が愛したシンガーのひとりである、柳ジョージ氏。
そして、FRのサニーと同時に、FFの「チェリー」を底辺モデルとしてラインナップしていた、当時の日産。
ああ、この頃の日産は、本当に華やかだったなぁ・・・(遠い目)
お次は、三菱である。
親が愛車としていた「ギャランΣ」に、そのハードトップ版である「ギャランΛ」。
「ギャランGTO」「ランサー」「ランサー セレステ」。
そして、「デボネア」に「ミニカ」。
この時代の三菱は、まさに軽自動車から社用車まで、トヨタ・日産以上に幅広い車種体系であった。
この時代のマツダは、ロータリーエンジン搭載車が主軸だった。
「コスモAP」「ルーチェAP」「サバンナAP」。
さらには、「カペラAP」「ファミリアAP」「ロードペーサーAP」。
ここでいう「AP」とは、低公害をアピールするAP(anti pollution)の意だった模様。
また「コスモL」のLは、「ランドウトップ」の頭文字である。
この当時は、乗用車メーカーとしても、あなどれない存在感を示していた、いすゞ。
ジウジアーロがデザインした「117クーペ」に、カジュアルなイメージの「ジェミニ」。
そして、フローリアン。
私が室蘭に住んでいた幼少の頃、タクシーでよく見かけたものだ。
いまでこそフルラインナップの大メーカーとなった、ホンダ。
だが、この当時の車種体系は、「シビック」と「アコード」の2車種という、シンプルさだった。
しかしながら、この頃のホンダ車は、なにか「新しい時代のクルマ」といったオーラを放っていた。
吉田拓郎氏が、初代シビックのオーナーだったことは、有名ですネ。
スバルも、「レオーネ」&「レックス」の2本立てながら、独自の個性を発揮。
レオーネには、すでに4WD車が用意されていた。
そして、ダイハツ。
「コンソルテ クーペ」は、提携関係にあったトヨタの「パブリカスターレット」の、OEMモデル。
「シャルマン」のシャシーやパワートレインは2代目カローラの流用だが、ボディはダイハツオリジナルだった。
この頃、軽自動車の排気量規格が見直され、上限360cc→550ccとなった。
そんな中、スズキの「フロンテ7-S」の排気量は、443ccにとどまる。
いわゆる「2サイクル」だったがゆえの、過度期的エンジンだったのでありましょう。
んでもって。
ここからは「アメリカ車」のご紹介。
GMには5つの部門があったのだという。
高級車は「キャデラック」・信頼性の「ビュイック」・開発先行車の「オールズモビル」・スポーツカーの「ポンテアック」・実用車の「シボレー」が、それである。
アメ車には明るくない私だが・・・大いに、勉強になりました。
信頼性の「ビュイック」。
スポーツカーの「ポンテアック」。
そして、実用車の「シボレー」。
個人的に、👆のクルマたちは、私がイメージする「実用車」とはかけ離れているが・・・
お次は、米国フォード。
リンカーンの変遷がよく分かる、この1枚の写真。
当時の「ムスタング」=現代の「マスタング」である。
続いて、クライスラー。
まさに、フルサイズな、アメリカンドリームなクルマたち。
さらには、AMCである。
この本が出版された当時、小学生だった私のクラスでは「スーパーカー消しゴム」が流行っていた。
そして私が持っていた中に、なぜか「AMCペイサー」のそれがあった。
このクルマって、スーパーカーだったのかなァ・・・
「英国車」のトップを飾るのは、「ロールスロイス」。
後席に座る方のために、「バーカウンター」が用意されている。
「ジャガー」と「アストンマーチン」は、英国紳士の欠かせないツール。
また、JPSカラーの「ロータス・ヨーロッパ」が、これまたカッコいい。
2シーターオープンの「MG ミゼット」。
これまた、英国発の、ひとつの様式といえましょう。
欧州フォードの「フィエスタ」は、横置きFFのコンパクトカー。
「MGB」は、FRスポーツである。
そして、「ミニ」一族。
この当時のミニも、意外にワイドバリエーションだったのだ。
引き続き、「西ドイツ車」を見ていこう。
「メルセデス」は、今も昔も、押しも押されもしないブランドイメージを守っている。
VWとアウディのクルマたち。
徳大寺有恒氏が、自動車評論家としての確固たる地位を築く礎となったのが「初代VWゴルフ」だったのは、あまりにも有名な話である。
そして私は、ロータリーエンジン搭載の「アウディ NSU RO80」にも、興味深々。
なお、排気量は「497.5cc×2」が正しいので、留意しましょう。
「VWビートル」は、私がコドモの頃は、本当によく走っていた。
「黄色いビートルを見ると幸せになれる」という都市伝説も、実際にささやかれていたのだ。
オペル車のイメージは、欧州車というよりは「むしろ米国車的」であると、私は気弱に思う。
吉田拓郎氏も乗っていたという、「ポルシェ924」。
「真っ赤なポルシェ」が、歌詞に出てくるような、素晴らしい時代でありました。
そして、みんな大好きな、フランス車。
「シトロエン マトラ シムカ バギーラ クレージュ」というクルマは、今回この本を見直して、初めて知った。
これは、イイ意味で、「珍車中の珍車」であると、私は認定する。
お次は、イタリア車。
「フィアット X1/9」は、今見ても、カッコいい。
「アルファロメオ」は、まさにイタリアの伊達男。
アレッサンドロ・ナニーニのことを、ふと思い出す私。
スウェーデンのクルマと言えば、やはり「ボルボ」と「サーブ」である。
サーブというブランドは、惜しくも、消滅してしまったが・・・
そして、日本のカーマニアには馴染みの薄い、「ソ連」のクルマ。
雪上走行をおもんぱかって、最低地上高を高く取っていたのだそうだ。
「モスクビッチ」というネーミングは、日本でいえば「東京太郎」といったイメージであろうか。
そして、この本が出版された当時の時代背景を反映し、いわゆる「スーパーカー」も取り上げられている。
「カウンタック」は、現地の発音では「クンタッシ」が正しいのだという。
ポルシェに、アルファ。
フェラーリに、マセラティ。
「F1 KE009」は、1977年の日本グランプリで、【日本一速い男】星野一義氏が操ったマシンである。
また、この本のコラムに記された、「電気自動車」に関する記述が、じつに興味深い。
電気自動車の登場は19世紀だったにもかかわらず、21世紀の現代でも、一般的に普及しているとは言い難い。
また、そのメリット&デメリットについて、筆者氏は、45年前から鋭い指摘をしている。
まさに時代を撃っていると、私は大いに感銘したのでありました。
懐かしいクルマ達ですね。
国産車の方は、私が小学生の頃よく見かけたクルマ達ばかりです。
最近、会社の近くに初代アコードの後期角目が停まっています。
懐かしくて、ビックリしました。
いすゞや海外のクルマ達は、ステキなデザインが多いですね。
ベンツやボルボは、このデザインテイストがしっかり後世まで伝わったのがスゴいです。
最新のものは、ビミョーではありますが・・。
(・・;)
この時代、ちょうど私がクルマ好きになった頃で、道行く実車を見ながら登校するのが、ひとつの楽しみでした🚘
セダン・ハードトップ・クーペが元気だった、旧き佳き時代だったと・・・あらためて思います(遠い目)
メルセデスやボルボは、この時代からコンセプトが一貫してますよね!
そこに、欧州メーカーの骨太さを感じますネ🦴