South Is. Alps
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Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
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自宅でピザ

Chescoの「超極薄ピザクラスト」を見つけたので(といって、どこのスーパーでも売っていそうだけれど、また、極薄のクラストが好みなので、ということで、Chescoについては、他意はない)、ピザソースを二種(トマトのみと、トマトとオリーブ)をハーフ&ハーフに塗り、ブリーチーズ、モッツァレーラチーズ、ペコリーノチーズ、たまねぎスライス、ピーマン薄切り、ルッコラをのせて、オーブンレンジの「ピザ」モードで約10分。自家製のチリソース(赤唐辛子をジンにつけたもの)をかけてたべた。
ほかに、冷蔵庫取り置きのごぼうのマリネ。プロシュートなど。

2006-02-22 21:42:06 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『纏足の靴:小さな足の文化史』

コウ、ドロシー、2005、『纏足の靴:小さな足の文化史』、平凡社

纏足にかんする現代の既成概念は、中国における女性抑圧の象徴としてのそれであろう。足を変形するほどに縛り付け、小さな靴に押し込める。そして、纏足が性的な意味を持ち、女性を男性に対する従属的な立場におとしめるというヨーロッパ近代主義や中国共産党による排除の歴史は、纏足に対し一面的な見方をしいてきたのであろう。しかし、本書ではそういった直裁的な見方を覆してくれる。
纏足の習慣は少なくとも12世紀南宋の時代にまでさかのぼり、漢族の居住地でも特定地域にそれぞれ特徴ある形態をもつ纏足が存在したという。清王朝は女真族による帝国であったので漢族による纏足の習慣を排斥しようとしたが、そのことは、かえって上流階級女性の纏足の習慣を上層庶民にも広げることになったという。
本書において美しい刺繍にあふれた纏足の数々が地域や時代の違いが分かりやすく整理されて、それらの写真とともに掲載されているので、一目で纏足が中国女性にとってのあこがれであり、美的関心の対象であったことがわかる。本書は纏足に焦点を当てているのだが、男性に従属的な儒教社会における女性による女性同士の紐帯が文芸を通しての交流や手仕事としての纏足の靴作りなどを育んできた歴史を読み取ることができる。
グローバリズムが女性を纏足の習慣から解放するとともに、同時に手仕事で作られる繊細な刺繍や社会におけるシンボリズムあるいは民族的な美意識を追放してしまったということも知ることができる。本書で触れられる挿話としての中国のシンデレラ「葉限」の物語や「馬頭娘」の物語もとてもよい。現代のグローバリズム以前の人間文化の共通項とそのバリエーションが語られており、本書の視点が持つ広がりを強く示唆しているものと思われる。
また、纏足を非難した側の西洋社会では、先の尖ったパンプスによって外反母趾を生みだす固い革製の靴文化をもっており、シンボルとしての足の変形に基づく女性の抑圧が「普遍的」であることに気づかされるのである。

纏足の靴―小さな足の文化史

平凡社

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2006-02-22 13:52:38 | 読書 | コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )