『未曾有と想定外─東日本大震災に学ぶ 』
畑村洋太郎、2011、『未曾有と想定外─東日本大震災に学ぶ (講談社現代新書)』、講談社
本書は東日本大震災やフクシマのあと、失敗学の著者によって書かれた。わたしは、電子化されたバージョンで読んだ。
本書では寺田寅彦の『天災と国防』を繰り返して引いている。いわく、「災禍の頻繁であることは一面では国民性の上に良い影響を及ぼしていることも否定し難いことであって・・・」。もにごとには良い事も悪いこともあって悪いことばかりではないとこの文を引くのであるが、わたしには、逆に、様々な天災に見舞われたがゆえに、その災禍を心に刻むに忍びず、忘却してしまう道を選んだのではないかと思える。また、同時に人災によって起こされたことも、他者によって引き起こされた甚大な損害もまた忘却のかなたにおいやってしまうという性癖もまた、「災禍の頻繁であること」ゆえであるとしたら、全くやりきれないと思うのだが、どうだろう。
本書は東日本大震災やフクシマのあと、失敗学の著者によって書かれた。わたしは、電子化されたバージョンで読んだ。
本書では寺田寅彦の『天災と国防』を繰り返して引いている。いわく、「災禍の頻繁であることは一面では国民性の上に良い影響を及ぼしていることも否定し難いことであって・・・」。もにごとには良い事も悪いこともあって悪いことばかりではないとこの文を引くのであるが、わたしには、逆に、様々な天災に見舞われたがゆえに、その災禍を心に刻むに忍びず、忘却してしまう道を選んだのではないかと思える。また、同時に人災によって起こされたことも、他者によって引き起こされた甚大な損害もまた忘却のかなたにおいやってしまうという性癖もまた、「災禍の頻繁であること」ゆえであるとしたら、全くやりきれないと思うのだが、どうだろう。
未曾有と想定外─東日本大震災に学ぶ (講談社現代新書) | |
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