『十二国記シリーズ 1 月の影 影の海 上下巻セット (新潮文庫)』

女子高校生の陽子のもとにケイキが出現してひれ伏し、彼女は突然、異界にワープする。彼女に与えられたのは、剣とジョウユウという憑き物、ただし、生身では非力な陽子はジョウユウによって尋常でない力を発揮する。剣は陽子が操るのかそれともジョウユウが操るのか。くわえて、剣は、彼女がもといた世界の様子が映される鏡(モニター)でもある。戻りたいはずの世界の家族の様子や学校、同級生たちの本音(?)が見えてきてしまう。自分自身がイメージしていた世界とは違っていたかもしれないことを知る。
陽子が飛び込んだのは十二国という異世界だが、彼女を連れてきたはずのケイキは姿を消し、ただ生き延びるための戦いと旅が続く。半獣人の楽俊という連れ合いができて、十二国の様子が次第に見えてくる。そして、彼女は、ケイキという麒麟(麒麟は王を選び支える天命が与えられている)によって奉戴された王であることを知らされることになり、十二国のなかでただ生き延び元の世界に戻るという願望だけでなく、新たな使命が待ち構えていることを知る。
解説にもあるが、このシリーズを読み始めたとき、ラノベであることを知ってちょっと軽く見ていたかもしれない。しかし、嵌りそうだ。

