今日の午後、来客があり、お土産にトリフ入りのスプレッドを挟んだブリーと赤ワインをいただいた。早速いただくことにした。
空豆のパスタ(空豆をあらかじめゆでて薄皮をとっておく。フライパンにオリーブオイル、赤唐辛子小口切り、胡椒、ガーリックとともに炒め、ゆで汁を加えて乳化させる。アルデンテにゆでたオレキエッテをあわせ、パルメジャーノとピコリノ・ロマーノのスライスをのせて絡めて、溶けたところを食した)
セルバチコとトマトのサラダ、パルメジャーノの薄切りとともに
いただきもののブリーとウォッシュチーズ
メゾンカイザーのバゲット
ダニエル T.マックス、2007、『眠れない一族:食人の痕跡と殺人タンパクの謎』、紀伊國屋書店
プリオンを原因とする遺伝性、感染性、散発性の致死性の脳神経疾患を巡るミステリーは、人類の食人の痕跡の発見から、致死性家族性不眠症、羊のスクレーピー病、BSE(いわゆる狂牛病)、ニューギニアのクールー病、そして、北米の野生の鹿やエルクの慢性消耗病などを巡る。同時に疾病を巡る家族の行動や生き方、考え方、また、一連の疾病が、病原性タンパク質によるとしたガイジュシェックとプリオンと命名したプルジナーの二人のノーベル賞受賞者の功名合戦やその研究態度、その他の研究者群像、これらもまた、興味深く描かれている。そして、医療行政や畜産行政にかかわる組織および官僚の態度もまた、よってくだんのごとしと、思わせる事が書き綴られている。
病気と人類の共進化という関心からみて、本書は面白かった。特に、食人に関する項である。本書では、新人、旧人、原人が混線して書かれていているように見受けられるので、その点差し引かねばならないが、食人とプリオンをめぐる病気と人類の共進化は、以下のようなシナリオであったことが、本書から読み取れよう。
まず、人類の食習慣からして、人肉もまたその食品リストに載っていただろう。そうした、行為の中で、たまたま、変異性のプリオンを持つ人肉が食されたとき、食人の連鎖は、致死的なプリオン病を蔓延させる事になった。
もし、そのプリオン病が即効性であれば、瞬く間に人口集団を絶滅させるために、こうした、プリオン病は淘汰され、遅効性のプリオン病が残った。
また、プリオン病を発病させやすいのはアミノ酸の「パリン」ホモ接合体をもつ個体で、それに対してヘテロ接合体は発病しにくい。その結果、人類の中でホモ接合体が次第に淘汰されてゆき、結果として、多くの人口集団では、ヘテロ接合体を持つ個体数の方が多くなっている。ホモ接合体とヘテロ接合体の割合が、異なっている人口集団の存在が知られていて、この事は、食人によるプリオン病に対する感受性が人口集団によって異なる事を示している。
さて、ここでの「プリオン病」というのは、例えば、致死性家族性不眠症のような特定の病態を意味するのではなく、広い意味での、タンパク質折り込みの変異型に起因する様々な脳神経疾患すべてが該当する可能性があろう。これまで、アルツハイマー病とされていた病態の中にも、広義のプリオン病である可能性が、本書の中で示唆されていて、病気と人類の関係性にますます関心を深める事になった。
ついつい引き込まれてしまい、一気に読んでしまった。以下の本もあわせて読んでみるべし。
読書と夕食:『プリオン説はほんとうか?:タンパク質病原体説をめぐるミステリー』:http://blog.goo.ne.jp/sig_s/e/5b99f764399f0586183f480023bc189f
2008-04-20 00:04:28 |
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今日は名駅西の整体に行ったので、帰りにサンジェルマン・タンドレスのバゲットを買ってきた。
春野菜とアサリのパスタ(ホワイトアスパラガスの皮をピールして好みに切る。オクラも好みに切る。スナックエンドウのさやの筋を取る。これらを蒸す。フライパンにニンニクみじん切りと赤唐辛子をオリーブオイルで炒め、アサリも加えてオイルを絡ませる。白ワインを加えてアサリの口を開く。アサリの殻を外す。ワインと同量の水を加えて、とろ火。リンギーネをアルデンテに茹でて、スープパスタ風に。仕上げにふきのとうを刻んで散らす)
バゲットとフレッシュオリーブオイル
池下「浅野屋」。久しぶりに、浅野屋。2月28日以来になる。
海老フライ定食、メンチボール定食、揚げじゃが、ホワイトアスパラガスと季節の野菜の温野菜、トマトサラダ。
食べながら家内と話したのだが、ここの料理を食べると癒されると。
鴨肉のソテー、赤ワインと粒マスタードのソース(スーパーで売っていた鴨鍋用という鴨肉、本当は、大きなもも肉ブロックが欲しかったところだが、残念ながらなかった。塩胡椒、ミックスハーブ、ガーリックパウダーをかけてしばらくおく。オリーブオイルで皮目の方からじっくりソテー。裏返したところでとろ火にして赤ワインと粒マスタードを混ぜたものをまわしかけて、しばらく火を通す。火を強めてマスタードが踊りだしたら、鴨肉を取り出し、ソースを少々煮詰める。茹でたジャガイモを添え、鴨肉を皿に盛ったあと、ソースとまわしかける)
ルッコラとブロッコリースプラウトのサラダ
豚ミンチのラーブ(豚ミンチを赤唐辛子小口切り、ニンニク、レモングラス、椎茸とともにごま油で炒める。紹興酒とナンプラーで味を整える。火が通ったところで火を止めて、香菜、スペアミント、タマネギと和える。大皿にレタス細切りをしいておき、この上にかける。レモンを搾りかける。白飯とともに食する)
伊勢からのいただきもののカツオのてこね寿司の冷凍(これがなかなかのもの)をいただいた。
若竹煮(カツオ出汁を用意。薄口醤油と日本酒、みりんで味付け。筍を好みに切って一煮立ちさせる。火を止めて、そのまま、そのまま煮浸しにする。塩蔵わかめをもどして、大鉢に入れておく。食べる直前に火を入れて、大鉢に注ぐ。木ノ芽を買うのを忘れてしまったので残念)
カツオのてこね寿司(添えたものは、錦糸卵、大葉の千切り、筍の先端部分のカツオ出汁即席漬け。パックは、カツオの薄切り、たれ、合せ酢の冷凍。炊きたての御飯に合せ酢をかけてさます。カツオにたれをかけておくと、約30分でおいしく出来上がる。酢飯に、錦糸卵、筍、大葉、カツオ、のりをのせて食する)
畠中 恵、2003、『ぬしさまへ』、新潮社 (新潮文庫)
『しゃばけ』の続編。
一太郎は江戸の豪商の「箱入り息子」。相変わらず、病弱で、妖に囲まれ守られている。なかでも「仁吉の思い人」が面白い。妖の命は千年も超え、一太郎の守り人の仁吉はかなわぬ恋を寝込んでいる一太郎に語る。そして、一太郎の秘密が明かされる。
妖が見えるかどうか、これは大きいかもしれないけれど、何か腑に落ちない事、あるいは、気にかかる物音、確認できなければ、妖のせいにするというのは、別に、江戸より前の事でもあるまい。妖と話すというのは少しかけ離れてはいる事かもしれないけれど、しかし、それでも、独り言というのは、他人からみて、妖との会話とも見えなくもあるまい。我々も、以外に妖と近いところに生きているのかもしれないのではないか?
2008-04-13 20:21:59 |
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筍と塩豚のパスタ(塩豚ブロックを薄切り、筍を薄切り。フライパンにオリーブオイルを入れて、塩豚と筍を炒める。パスタをアルデンテに茹でる。ゆで汁をフライパンに加えて、湯切りしたパスタをからめる。胡椒味)
シーザーサラダ(タマネギみじん切り、粒マスタード、ケッパーみじん切り、胡椒、ガーリック、パルメジャーノをおろしたもの、アンチョビ、半熟卵。あらかじめ氷水にとって冷やし、水をよく切ったローメインレタスを一口に切っておいて、よくあえる)
メゾンカイザーのバゲット、フレッシュオリーブオイルとともに
今日は学内の研究会のあと、星が丘の「しき」へ。大皿料理のほか、同僚があらかじめ、タイの煮付けや白海老のかき揚げを頼んでいて、なかなか豪勢な会食となった。それにしても、予定した人数よりも、参加人数が少なくなったので、とりわけ、特別注文の品は持て余した感じではあった。
今日は夕方から夜にかけての仕事があるはずが、キャンセルになって、思ったより早く帰る事ができた。
鶏つみれ鍋(鶏手羽先を水から煮ていく。キャベツ、白葱。エノキ、舞茸、豆腐、葛きり。ナンプラーを少々。柚子胡椒をスープでといてこれに付けて食する)
ウルイとコゴミの温サラダ(ウルイとコゴミを蒸し器で軽く蒸し、温泉卵を添え、ペコリーノ・ロマーノを粗く刻んだものをかける。塩胡椒。フレッシュオリーブオイルをかけ回す)
豚肉のリゾット(前夜の豚キムチ鍋の残り汁を使う。豚ロース肉を細く切ってオリーブオイルで赤唐辛子小口切りとともに炒める。生米を追加して炒める。残り汁を加える。白ワインを追加。味をみて薄いようであれば、塩。米がアルデンテになったところで、火を止めて深皿にもる。パルメジャーノの薄切りをかける。イタリアン・パセリをのせる。フレッシュオリーブオイルをかけ回して食する)
大岡信・岡野弘彦・丸谷才一、2008、『歌仙の愉しみ』、岩波書店 (岩波新書 新赤版 1121)
一昨年、同僚たちと何度か歌仙を巻いた。同僚の一人を宗匠として指導を受けながら。連衆がうちそろって巻くのは無理そうだったので、メールと共有文書への書き込みというのでやりましょうという事にしてはじめた。メールでその句を読んだ意図とか気分を書き、共有文書が「懐紙」の代わりのつもりだった。
同僚何人かとカラオケに行ったのだが、そのとき、宗匠が俳句を一句詠み、それに付句をつけたことに始まる。二人で始めたので、まずは、半歌仙からにしましょうという事にした。それは、2006年7月で、今から思うと、WritelyがGoogleDocsに吸収される前というタイミングで、ウェブ上の共有文書が普及して行く初めの頃だった。一連の歌仙の中で、GoogleDocsに引っ越した。
連衆が二人から、三人になり、2006年のうちに数回歌仙を巻いたが、年が代わって気分が途絶えてしまった。2007年に、一度、宗匠から発句をいただいたが、付ける事ができずにめげてしまった。今年は、そのうち、復活したいと思う。
さて、本書は、詩人、歌人、小説家がうちそろって、座談を楽しみながら歌仙を巻いているようすが伝わってきて、味わいながら読む事ができた。元々は岩波の『図書』に連載されていたもので、本書には八歌仙がおさめられている。連句だけが書かれているのではなく、そのときの気分や想い、意図が記されていて、連句の愉しみが倍加するようである。
2008-04-10 07:47:27 |
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日中の気温が20度を超えるようになっても、日が陰るととたんに冷え込む。春になって、もう、あと何度もないかもしれない鍋。
豚キムチ鍋(昆布出汁。ナンプラー少々。ニンニクひとかけをつぶしていれる。白菜キムチ、白葱、キャベツ、椎茸、えのき茸。豚ロース薄切りと絹ごし豆腐)
よい出汁がでた。