このトランジスタラジオNT-880Mの修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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先日NECのトランジスタラジオ本体を修理して放送を受信するようになりました。しかし、このラジオを収める革がだいぶ傷んでいました。せっかくラジオ本体を修理したにも関わらず、革が傷んでいるため、ラジオを聴いていてもなんとなく惨めな感じがします。いかにも壊れている悲惨なラジオにようにも見えます。今回、革もなんとか修理できないかトライしてみました。
ラジオを収納する革の、切れて傷んだ部分の一つ
革細工はまったくの素人なので、どう直してよいかまったく分かりません。そもそも革自体が経年の痛みで修理は無理かとも思えます。最初に針と糸で縫ってみようと思いました。しかし、革とはいいながら良く見ると厚い部分は厚紙でできているようです。さらに、かつて縫われていた箇所はぼろぼろです。針を通して糸を通しましたが、糸がかからずちぎれてしまいました。
切れた箇所を縫う試み 針を通すも、ぼろぼろで糸がかからず
仕方がないので接着剤を使ってつなげてみることにしました。薄い革を一枚用意します。その革に接着剤を塗って、切れた革と革を覆うように押し付けてみました。今のところこの方法でしか、私には革と革をつなげる方法が思いつきません。
新たな薄い革に接着剤 新たな皮を、切れた箇所に覆う
なるべく強く接着するように平らな金具を二枚用意して、その金具の間に接着する革をはさみました。そして、強いクリップでその金具を裏と表からはさみました。この状態で数時間すれで革と革が接着されるはずです。
二枚の金具の間に接着する革と革を挟んで、クリップで押さえる
切れた箇所は二箇所です。一箇所は接着剤を使うしかありませんでしたが、もう一箇所は糸を使ってかろうじて縫うことができました。しかし、ここも革がぼろぼろで見栄え良くつなぐことができませんでした。電子回路素子やプラスチックなどは、4~50年経っても保蔵方法がよければ経年変化がそれほどありません。しかし、革が傷むのは避けられない宿命のようです。エジプトなどの古代遺跡でも、金属,木,骨,樹脂などは遺物として残っていますが、布,革などが残っていることをあまり聞いたことがありません。
傷んで切れてしまった革の端 糸で縫うも、見栄えはとても悪い
革は経年変化が免れないようです。湿気や気温などで、どうしても傷みは進行するようです。かと言って私には革細工修復の技術はないので、応急処置程度しかできません。革の修理はこの程度でよしとしました。
修理したトランジスタラジオNT-880M(革の見栄えまでは修復できず)