このトランジスタラジオ7TP-440の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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前回、中波/短波切り替えスイッチ不良を発見しました。そこで、この故障をどうやって修理しようかといろいろ思案しました。最初に無駄だと思いましたが、接点復活剤をふりかけてガリガリと何度もスイッチを回しました。しかし駄目でした。そこで改めて中波/短波切り替えスイッチを丹念に観察しました。すると、使っていない空いた接点を一箇所発見しました。直すための方法が出てきました。
中波/短波切り替えスイッチ内の使っていない空いた接点
それは、故障した接点に繋がっている線を、そのまま空いた接点にそのまま移行する方法です。空いた接点まで、線を延長して這わす改造をしました。線同士などが接触しないように、絶縁チューブを被せて延長しました。
延長する線を半田付け 接触しないよう絶縁チューブ被覆
そして、延長した線を空いた接点に繋ぎました。空いた接点は故障した接点とは反対側にあるため、中波/短波切り替えスイッチを回り込むように繋ぎました。細かい作業のため慎重に半田付けしました。
不恰好ながら空いた接点に繋いだ線(左がトランジスタ側、右赤黄が発信コイル側)
これで中波も短波も受信できるはずです。恐る恐る電源を繋いで見ると、うれしいことに中波/短波切り替えスイッチを切り替えると、中波も短波も受信することができました。
話が変わりますが、私の経験では古いトランジスタラジオの故障原因は、トランジスタなどの素子が故障することよりも、今回のように接触不良に起因する故障の方が比較的多いようです。
電池を繋いで受信を確認 基板を元のように筐体に収納
トランジスタラジオは回路構成や素子がとても小さいので目が疲れます。私は、毎回の修理で集中力が続くのは3~4時間程度です。その時間内に修理の見込みがないとさっさと作業をやめて修理中のラジオを元のように筐体の収めます。そして、修理用具も綺麗に片付けます。故障の原因がなかなか分からないとつい放り投げたくなることがありますが、今回のラジオのように苦労した末に直ると達成感で癒されます。
アンテナを立て革に収めた今回修理のトランジスタラジオ、受信放送を楽しむ