東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古いSONY製トランジスタラジオ TR-724の修理(5/6)

2011年10月14日 | 古ラジオ修理工房

 このSONY製トランジスタラジオ TR-724の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
  修理(1/6) 修理(2/6)  修理(3/6) 修理(4/6) 修理(5/6)
    修理(6/6)



 前回、このSONY製トランジスタラジオ TR-724のボリュームの構造や修理方法を部品取り用ラジオで学びました。この経験を元に、今度は修理対象ラジオ TR-724のボリュームを修理することにしました。まずは、ラジオ基板を筺体から取り出しました。基板やダイヤル類はだいぶ埃が溜まっていましたので、エアーダスターや刷毛で取り除きました。

         埃がだいぶ溜まったラジオ基板やダイヤル類


 最初、ボリュームツマミを取り外しました。六角形のネジでツマミがボリュームに取り付けられていましたが、とても小さなネジのため最新の注意をはらいながらピンセットで取り外しました。そして、いよいよボリューム本体の修理に入りました。まずは、ボリュームの炭素皮膜部分を覆っている円形金属板を取り外しました。そして、炭素皮膜に接する金属部品と抵抗中点を構成する金属部分を磨きました。これで、少しはガリが減るはずです。

  ボリュームツマミの取り外し      炭素皮膜部分を覆う金属板を外す
 

 ところがボリュームを修理している最中に、隣にあるチューニングツマミの故障に気がつきました。チューニングツマミを回しても、チューニングダイヤル板が空回りする故障です。原因は、チューニングダイヤル板を固定しているネジが緩んでいるためでした。周波数表示がずれないように注意しながらネジを回してダイヤル板を固定しました。

    周波数表示がずれないように注意しながらチューニングダイヤル板を固定


 続いて、バーアンテナがぐらぐら動く故障を修理しました。ぐらぐらする原因は、バーアンテナを支える二つの枠の片方が割れていたためです。割れた部分に接着剤を塗布した後、その部分をピンセットで固定しました。一時間程度固定すると、もうバーアンテナはぐらぐら動かなくなりました。

 割れたバーアンテナの支え枠       接着剤を塗布後、ピンセットで固定
 

 さらに、外部アンテナ部分の故障も直しました。外部アンテナにつながる細い電線を半田で外部アンテナ金具とつなぎました。そして、その金具を外部アンテナ端子に接続しました。この外部アンテナ部品はとても小さいな部品で構成されていました。このため、一度ではうまくいかず何度かトライしてようやく直りました。細かい外部アンテナ修理は目が疲れます。

 とても小さな外部アンテナ部品       半田で金具と繋げた細い電線
 

 以上でこのラジオの修理が終わったので、電池をつないでラジオ放送が正常に受信するかどうか試してみました。すると、うれしいことにラジオをちゃんと受信してくれました。低い周波数のNHKから高い周波数のラジオ日本まで受信できました。どの放送局も音量がほぼ同じため、AGCもちゃんと効いています。

      電池をつないでラジオ放送が正常に受信するかどうか試聴


 基板をラジオ筺体に組み込んだ後、アンテナを筺体に固定できるかどうか試しました。するとアンテナをちゃんと筺体に固定できました。このアンテナを付けることによって、このラジオを立てることができます。ラジオ正立にアンテナを生かす面白い構造です。黒い革もチェックしました。すると、チャックの部分がとてももろくなっていました。あまりチャックの開け閉めすると裂けてしまいそうです。

   ラジオ正立のためアンテナを接続   チャック部分に痛みがある黒革
 

 これで、ようやくこのラジオの修理が完了しました。部品取り用ラジオから流用した部品は基板を固定するネジを拝借した程度でした。修理の過程で部品取り用ラジオもラジオ受信できるようになりました。電池BOX部分を含めた筺体の破損さえ直せばラジオとして十分使えますが現状のままとしました。最後に、修理が完了した修理対象ラジオの汚れ落としやトラッキング調整などをしようと思います。

        修理が完了したラジオ(上)、と現状のままとした部品取り用ラジオ(下)

コメント
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