すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

時を経て,そこに残っていたのは

2014年04月10日 | 雑記帳
 以前勤めていた学校に再び勤務すると、比べようとしなくとも「あの頃はこうだった」と自然に思ったりする。16年間は言うまでもなくずいぶんと長い。変化していることも多くあった。校舎は前に務めた時に既に20年近く経過していた。従って現在約40年。かなり老朽化が進んでいる。スペースの狭さを強く感ずるのは、他の勤務校が結構新しかったからか。


 まだフリースペースのような考え方がない時代に建てているのでやむを得ないだろう。活動をするのが精一杯、ゆとりなどない。職員室の教員数に変化はないにしても、非常勤の方々が増えたり、コピーやPC、印刷機などが大きくなったりで、その分圧迫されている。人が通るスペース確保がやっとという状態。本当に今まで恵まれた環境にいたことを痛感する。


 学年部外の所属職員が一同に給食をとることが出来ない。20年前は職員室内で5,6人がわいわいと情報交換しながらお昼をとっていたが、今はそのスペースもとれず、各々の稼働時間もまちまちだ。今の時代、当然の状況かもしれない。学級担任にはいつもそんな余裕はない。しかしだからこそ、そんな雰囲気自体が欲しいのではないか、そんなこともふと過る。


 職員の名札。結構多くなっているが、今までの勤務校ではなかったので、初めての体験となる。実は若かりし頃、児童の名札論争をした経験がある。今考えるとくだらぬ内容に見えるが、その頃は真剣に考えていたものだ。それにしても配布された名札は、漢字氏名とひらがな氏名の二つ。新職員に「どちらを?」と尋ねられたが、「二つを胸に」と笑って答えた。


 変化を複雑に思いながら、職員室内を見渡す。児童数が各級ごとに書かれてあるホワイトボードを見つけた。「在籍児童数一覧」とマジックで書かれた字に見覚えがある。「あっ、オレの字」と思わず口をついて出た。20年の時を経て生き残っていたか…。模造紙記入から変動に対応できるよう改めたのがあの頃だったか。癖のある字が急にいとしく思えてきた。