すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

職場づくりの今昔を想う

2014年04月16日 | 読書
「2014読了」42冊目 ★★

 『明るい学校つくる 教師の知恵』 (家本芳郎  高文研)


 3月下旬に、消費税アップに備えて?古本屋にいったときに、家本先生のシリーズが3冊並んでいた。このうちどれかはあるはずと思いながら、安価だったので3冊まとめて購入した。(やはり1冊は既に読んでいた本だった)

 手始めに読んだのがこの本。
 80年代後半の発刊である。端的にいうと「歴史」を感じさせる本である。
 学級集団つくり、授業つくりに辣腕をふるってきた家本先生の「民主的な職場づくり」を目指した実践集とも言えるだろう。

 およそ30年前。昔はそうだったなあ、と懐かしく読める部分もあるが、ええっと驚く項目もあり、そこは地域性や風土の違いなどを感じさせられた。
 また、かなりくだけたことも載せてある。例えば、以下の項目だ。

 管理のあみをくぐるあそびの精神

 職場恋愛のすすめ

 『民酒主義』を追究しよう



 こうした人間臭さが大いなる魅力なのだが、現状では全国どの地にあっても、公言できない部分なのかもしれない。

 多くはこうしたやや懐古的な内容に見えるが、そのなかから本質を探り、現在にあっても職場づくりとして貫きたいことも少なくない。

 典型的な例は「子育て教師の研修出張」と題された、入学式の期日が職場と我が子で重なった場合の措置だった。
 ネット上を賑わした、あの話題に共通点がある状況である。
 そういう問題に対して、家本先生たちはどう向かっていったのか…。

 今も昔も、公的にそうした結論を導きだすことはできないと思うが、その精神については深く共感した。

 また、後半にでてくる「授業研究でつくる教師の連帯」の章は、間違いなく今であっても通ずる方法論だし、見習いたい方向性である。
 確かに授業研究は、当時に比して盛んになっている気がするが、同時に窮屈さも感じるこの頃である。

 この本で得たエッセンスをどこで発揮できるか、工夫のしどころである。