『教師におくる「指導」のいろいろ』(家本芳郎 高文研)
もう一つ、「ほめる」は書きとめておきたい。
ほめることが難しくなったか…その判断ははっきりくだせないが、難しさについて書かれた文章には納得がいった。
家本先生は、「ほめるに価するようなことをしないから」という理由の他に、次の五つを挙げている。
・教師が学校の規則という尺度で子どもをみている
・教師自身が「いい子」で育ってきている
・子どもがすぐ得意になる
・ほめてばかりいると、ほめないとやらなくなる
・ほめても効果がない。かえってシラける。
こうした分析から「ほめ方のセオリー」を導きだしている。
昨日宿題を忘れた子が、きょう半分やってきたときを例に、次のような言葉でほめるそうだ。
「半分やってきたか。よし、よくやった。たいへんだったろう。では、こんどは三分の二以上やってこい。辞書をひいて調べるんだぞ。できるな」
この言葉は以下のようなセオリーを充たしているという。
・一人の子どものものさしでほめている
・ほめながら、ちょっと高い目標を示している
・目標にせまるために何をすればいいか教えている
・子どもの努力に共感している
短いほめ言葉のなかにもきっちりと要素を盛り込むことは、意識的な訓練が必要だと思うが、こうした実務的な研修もあっていいかもしれない。
子どもの緩い実情ばかり気にして「ほめる」ことに消極的になってはいけない。
では、何もないときはどうするのか…それに対しても、家本先生はそうじの実例(終わりましたと報告にきた子が、実はきちんとやっていない場合)を示して、こう結論づける。
ほめることがなければ、ほめることをさせて、ほめてやる
「指導」の確かな基本がここにあるような気がする。
もう一つ、「ほめる」は書きとめておきたい。
ほめることが難しくなったか…その判断ははっきりくだせないが、難しさについて書かれた文章には納得がいった。
家本先生は、「ほめるに価するようなことをしないから」という理由の他に、次の五つを挙げている。
・教師が学校の規則という尺度で子どもをみている
・教師自身が「いい子」で育ってきている
・子どもがすぐ得意になる
・ほめてばかりいると、ほめないとやらなくなる
・ほめても効果がない。かえってシラける。
こうした分析から「ほめ方のセオリー」を導きだしている。
昨日宿題を忘れた子が、きょう半分やってきたときを例に、次のような言葉でほめるそうだ。
「半分やってきたか。よし、よくやった。たいへんだったろう。では、こんどは三分の二以上やってこい。辞書をひいて調べるんだぞ。できるな」
この言葉は以下のようなセオリーを充たしているという。
・一人の子どものものさしでほめている
・ほめながら、ちょっと高い目標を示している
・目標にせまるために何をすればいいか教えている
・子どもの努力に共感している
短いほめ言葉のなかにもきっちりと要素を盛り込むことは、意識的な訓練が必要だと思うが、こうした実務的な研修もあっていいかもしれない。
子どもの緩い実情ばかり気にして「ほめる」ことに消極的になってはいけない。
では、何もないときはどうするのか…それに対しても、家本先生はそうじの実例(終わりましたと報告にきた子が、実はきちんとやっていない場合)を示して、こう結論づける。
ほめることがなければ、ほめることをさせて、ほめてやる
「指導」の確かな基本がここにあるような気がする。