すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

桜は語るものではないけれど

2014年05月06日 | 雑記帳
 新聞読書欄の「新書・選書」レビューの欄に,気になる題名の本を見つけた。『桜は本当に美しいのか』(水原紫苑・平凡社新書)。今年はサクラづいている?ので興味を持った。副題が「欲望が生んだ文化装置」とある。これは読まずにはいられない。ところが,さっそくネットで注文を試みたが…あれあれっ。


 アマゾンには新品がなく,中古品が既に定価を超えている。楽天ブックスでは「ご注文できない品」になっている。平凡社では「品切れ」。えーっ,4月発刊なのに。そんなに桜好きなの?日本人は…と思いつつ,紀伊国屋書店でようやく在庫を見つける。会員登録が必要だが,仕方あるまい。「桜」の締めをせねば。


 連休中は徹底して本の整理をと目論んだが,やはり駄目だった。それでも段ボールに3つほどは詰めることができ,今のところは収まっている。詰め方をしている時,ふと目についた一冊の文庫本『櫻よ』(佐野藤右衛門 集英社文庫)。こういう流れだとめくってみなければ…とまた中断してしまう。反省である。


 「桜守」である佐野が,京都を中心に方々の桜について語ったことが聞き書きされている。冒頭に華道家安達瞳子との対談が収録されている。短いが雰囲気がある。「満開の桜に恥ずかしくて,人は酒を飲む」…この花の持つ特殊性は,感性に働きかける強さと言ってもいい気がするが,そこにも背景があるのだろう。


 植物,樹木の数え方には「本」「株」「木(ぼく)」「樹」「個」。花びらがある場合は「輪」が挙げられる。梅もそれに近いが,桜の場合はさらに多彩な数え方が出てくる。「房」「つ」「枝」そして「枚」「片(へん,ひら)」極めつけは「朶(だ)」。垂れ下がる枝の数え方である。桜ワールドはどこまでも深い。