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何がデッドラインなのか

2014年05月24日 | 読書
 「2014読了」55冊目 ★★

 『デッドライン仕事術』(吉越浩一郎  祥伝社新書)


 佐藤正寿先生のブログに紹介があった。
 この頃仕事術関連は読んでいないので,たまにはいいかなと思い注文した。
 「すべての仕事に『締切日』を入れよ」という副題が示しているように,締切厳守を徹底する思考や行動が貫かれている本である。

 処理をしていくという観点でいえば,この著に書かれてあることはまさに王道。

 しかし,極端な例とはいえ,このようなテンションにはついていけない。

 あるときは,「家族が熱を出してしまったもので」という言い訳を聞いて,「だったら熱を出させるな」とさえ言ったこともある。・・・(略)・・・・・やることをやってから看病しろ,という話だ。


 もちろん,フォローもあるのだろうが,やはり企業戦士的なイメージが強い。

 一番関心を持ったのは,この項である。

 調整型リーダーが,組織の決断力を鈍らせる


 こんな表現をしている。

 「調整型リーダー」は,宴会の幹事をやらせるには適任だ。しかし組織のトップには向いていない。


 その組織が,どういうものを目指しているのかで大きな違いがあるだろう。
 営利組織であれば,結局はそうなるのかもしれない。
 では,学校や役所はどうだろう…しばし考えてしまう。

 今そこで求められているリーダー像は調整型の方が明らかに強いと思う。
 細かに言えば,その組織の構成員の質,量によって違いが出てくる。
 最終的な決断が求められるのは変わりはしないが,どのレベルで行うか,それまでのステップをどう積み上げていくか…そういった点に関して一方的な独断専行では成り立っていかないだろう。


 自分に引きつけて考えるには,こうした極論に近い論述をする人は実に興味深いものだ。

 深く納得できる記述も所々にあった。以下は,その一部。

 どんなに複雑にもつれた糸も,ほどいてみれば単純な一本の糸に過ぎない。

 徹底したフォロワーシップから,強いリーダーシップが生まれる。
 
 「売上」は,すべてを癒す