「2014読了」75冊目 ★★
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(甲野善紀・松村卓 ディスカバー携書)
武術への興味というより身体論について興味があるので,時々甲野善紀氏の本を手にとる。
今回は,その甲野氏とも関わりの深いスポーツトレーナー松村卓氏との対談である。
中身は当然ながら,競技スポーツやトレーニングのことになるが,そこにある意味で生き方につながる思考がちりばめられていて,共感できることが多い。
いわば武術という世界の中で,異端視されながらも革命的な提言を常にしている甲野氏の信念の強さは,この一言によく表れている。
自分が「正しい」「絶対だ」と思ってしまったら,そこで終わりじゃないですか。
私の場合は,すべてが仮説なんです。
この言葉を実証するかのように,この対談の中でも松村氏が提案した身体の動きを実際に試してみて,それを貪欲に取り込もうとする姿が何度かあった。
素直に学び,良いものをどんどん吸収していくということは,武術の核心に触れることではないか,と考えさせられる。
つまり,その本質はこうだ。
勝つことより,生き延びることが大事。
現在の競技スポーツ等の現状には疎いが,なんとなく自由度が狭く,硬直化しているイメージは強い。
それは勝ち負け至上主義,そして権威主義とつながっていることに疑う余地はない。
その意味で,いわゆるスポーツの常識に挑戦しつづけるこの二人の発言は興味深いし,考えさせられることが多かった。
学校の教科に関して触れているところもユニークだ。
小学校の科目分けに関して疑問を呈している。
(特に小学校低学年は)もし科目分けするなら,体育の他には,国語と歴史で十分でしょう。
つまり,算数も社会も理科も,歴史の中に全部入れてしまうんですよ。
このダイナミックな提案に少し心がときめく。
教育改革と言うけれど,制度や学年編成の問題などばかりに目を向け,肝心の内容の検討が薄くなっている現状も浮かび上がってくる。
さて,この書名に関わることである。
当然,「身体」のことである。
しかし,同時に仕事や生活に関しても連想が働く教えではないか。
何も疑わずに腹筋を鍛え,ストレッチなどをしているが,実は一定のところまでしか行けないし,怪我も多かったりする。
やはり「骨」をしっかり見直し,体幹を意識しながら使える身体にすることが生き延びるために必要ではないか。
と考えながら自分の仕事や日常で,ないがしろにできないことは何かもう一度意識してみる。
『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(甲野善紀・松村卓 ディスカバー携書)
武術への興味というより身体論について興味があるので,時々甲野善紀氏の本を手にとる。
今回は,その甲野氏とも関わりの深いスポーツトレーナー松村卓氏との対談である。
中身は当然ながら,競技スポーツやトレーニングのことになるが,そこにある意味で生き方につながる思考がちりばめられていて,共感できることが多い。
いわば武術という世界の中で,異端視されながらも革命的な提言を常にしている甲野氏の信念の強さは,この一言によく表れている。
自分が「正しい」「絶対だ」と思ってしまったら,そこで終わりじゃないですか。
私の場合は,すべてが仮説なんです。
この言葉を実証するかのように,この対談の中でも松村氏が提案した身体の動きを実際に試してみて,それを貪欲に取り込もうとする姿が何度かあった。
素直に学び,良いものをどんどん吸収していくということは,武術の核心に触れることではないか,と考えさせられる。
つまり,その本質はこうだ。
勝つことより,生き延びることが大事。
現在の競技スポーツ等の現状には疎いが,なんとなく自由度が狭く,硬直化しているイメージは強い。
それは勝ち負け至上主義,そして権威主義とつながっていることに疑う余地はない。
その意味で,いわゆるスポーツの常識に挑戦しつづけるこの二人の発言は興味深いし,考えさせられることが多かった。
学校の教科に関して触れているところもユニークだ。
小学校の科目分けに関して疑問を呈している。
(特に小学校低学年は)もし科目分けするなら,体育の他には,国語と歴史で十分でしょう。
つまり,算数も社会も理科も,歴史の中に全部入れてしまうんですよ。
このダイナミックな提案に少し心がときめく。
教育改革と言うけれど,制度や学年編成の問題などばかりに目を向け,肝心の内容の検討が薄くなっている現状も浮かび上がってくる。
さて,この書名に関わることである。
当然,「身体」のことである。
しかし,同時に仕事や生活に関しても連想が働く教えではないか。
何も疑わずに腹筋を鍛え,ストレッチなどをしているが,実は一定のところまでしか行けないし,怪我も多かったりする。
やはり「骨」をしっかり見直し,体幹を意識しながら使える身体にすることが生き延びるために必要ではないか。
と考えながら自分の仕事や日常で,ないがしろにできないことは何かもう一度意識してみる。