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発展のための礎に学ぶ

2014年08月28日 | 雑記帳
 地域にある企業を見学する機会があった。この企業は町に誘致されてから50年近い歴史があり,着実に大きくなっていった。身内も勤めているからではないが,この地で生き残っているというのは大したものではないかと思う。部長さんのお話を聴き,根本はこの社是,協働指針によるところが大きいと感じ入った。



 「環境にやさしい」は今ならどこの企業でも言いそうなことだ。しかしここの創業者は70年前にそのことに言及したという。これは凄いことだ。コンデンサという工業発展を支えてきたモノづくりは,いわば工夫の塊のようなものだが,「環境」という一つの芯を忘れずに継続してきたことが発展の礎なのだろうか。



 「人にやさしい」点も見るべきものがある。この会社はリーマンショックのときも解雇をしなかった。単なるアピールとは違うのではなかろうか。数年前に地元紙で話題になった出産祝い金制度も徹底している。第一子に10万円,そして第二子は20万円…と増えていく。喜びあう精神が具体化されているということだ。



 技術開発競争がシビアのようだ。中国に名前をパクられ,粗悪品が出回りクレームがきたという笑えない話もあった。教育現場ではいい技術はどんどんパクるのが普通であり,その面ではずいぶんと違う。ただ我々も技術を真似るだけでなく,一歩高めようという気概こそが対象に届くということを忘れてはいけない。



 企業と学校はもちろん違う。モノづくりと人づくりも単純に同一化はできない。ただ「質の向上」を目指す点において,労働者として多くの共通項があるだろう。「協働指針」の最後にある「知恵を使え,気を使え,手を使え」に尽きるか。技術と気遣いと直接動くことは,どの現場にも必須であり推進力となっている。