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熱い一日に鍛えられる

2014年08月07日 | 雑記帳
 5日火曜日,千葉の袖ヶ浦市立昭和小学校へ。
 「鍛える国語教室」の全国大会である。

 今回のテーマは「思考力・判断力・表現力等を形成する『学習用語』とその指導法」である。昨年の花巻での大会は,自分も授業検討者として発言する機会があったので,あれから一年かと少し懐かしい気もした。
 
 今大会は,子どもを対象とした授業を12人の先生方が1コマずつ,2時間かけて計12コマ行われる。数が多いことは選択の幅が広がる面もあるが,どんなふうに集約するのだろうと思った。
 全体が共有するのは「学習用語」に違いないが、論議が拡散しないだろうか。そんな気がかりもあった。


 提案授業一コマめ,昔から気になる実践家の一人であった横田経一郎先生の授業を参観した。
 2年生を相手に「大きなかぶ」を使って「昔話(の読み方)」についての授業だった。
 2時間目は,山中伸之先生の「ゆるやかにつながるインターネット」と,柳谷直明先生の「やまなし」を半分ずつ参観した。

 いくつか思うことはあった。
 その考えの断片を午後からのパネルを通して,明確にしたかったが,そういう流れにはならなかった

 午後,野口芳宏先生の中学生対象の特別授業「孔子の言葉」をはさんで,授業者が勢ぞろいしたパネルディスカッションは『「学習用語」とその指導法の妥当性検証』がテーマである。
 授業者が短くそれぞれの主張を述べたが,一人だけ学習用語を取り上げなかったという(その点は事前了解済み)という横田先生の発言が,異色ゆえに際立った。

 発言の中にあった「手続き的知識」と「宣言的知識」という用語については,かつて『言語教育技術誌』に掲載されていたことがあり,興味深く読んだ記憶があった。
「学習用語」指導については一石を投じる考え方だと思う。

 フロアからは予想されたように挙手による発言はなかった。
 司会より指名された横山験也先生のご発言は,直接的には柳谷先生の授業に向けられたものであったが,国語科における学習用語指導の現状の曖昧さを突いていた。
 そして同時に,国語科の学習指導要領,教科書,実際の指導の三つをしっかり絡み合わすことのできない困難さを示しているようにも感じた。

 それでも教科書をみれば,学習用語はここ十年ぐらいでずいぶん浸透しているし,それは野口先生を初めとした当研究会の貢献も少なくないはずだ。

 結局,パネルでの議論は拡散したように感じた。
 しかし,司会である富樫先生が最後に述べられた2つのこと「学習用語を教師が適切に使う」「学習用語のよさを子どもに実感させる」は,実にすっきりしていて共感できた。

 どちらも簡単ではないが,今回の大会テーマに資する点であることは間違いない。

 関東各地で最高気温を記録した箇所もあった一日。熱いなかでまた鍛えられた。