すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

風穴を探す旅のような

2014年08月03日 | 教育ノート
 金曜日に石川晋先生を講師に迎えて研修会を開催した。会員発表も取り入れながら外部講師を招いた形での一日国語講座も,もう十数年続いたけれど,言ってみればどれ一つハズレはなかった。準備,運営等に携わる担当者の尽力が大きい。そして招いた講師が,いずれも「本物」であったとふりかえることができる。


 予算的な絡みもあり講師の到着は午後になる。会は午前から始まっていて発表を既にしている。年ごとのテーマはあるが,幅広くしてあるので内容はまちまちであり,講座等と会員発表の関わりは実際に持てない。ところが石川先生は,講座の中に,発表に対して感想を述べるという計画を持っていらした。初めてだった。


 資料を見ながら発表者に質問したり,補足したり…。今まで数多くの実践者,研究者を招いたけれど,こんなふうに進められたことはなかった。これが石川先生のスタイルなのだと思った。つまり全体像をつかみ,積極的に他者と一緒に作り上げていく。授業も研修会も同じといっていい。今回の大きな価値と言える。


 石川先生の講座にあった提案を,個々の参加者はどう受け止めたか。好意的な多くの感想があった。しかし同時に,実践を具体的に取り入れようとすると,必ず壁に直面することも確かだろう。一つには周囲の壁,つまり今学校教育に課せられている統制的な面,雰囲気である。そしてもう一つは自分の壁である。


 この二つは別個のものではない。ライティングワークの支援についての質問とも重なるが,計画性・安定性を求められる現場の中で,それが即効性や顕示性に結び付けられ,視野が狭くなっている。自覚している教員も少なくない。壁への身の処し方について,講座に盛り込まれたヒントをどう生かすかが鍵になる。



 終了後の小宴は,ゲストのKさんを交えて教育史的なことから先端的研究まで話が及んだ。最後には繰り返し自分の立ち位置を訊かれ,考えざるを得なかった。じっくりと思考したいが,今週はインプット週間になる。地元,千葉,秋田市と会が続く。まだいくらかは外的な刺激に反応するようだから,吸収したい。