すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

役立たないが貴重な学び

2015年02月26日 | 雑記帳
 立ち寄った書店で、よく購読する雑誌の最新号表紙を見て、「あっ、前の号、まだ読んでいなかった」ということに気づいた。ビジネス系雑誌にしては珍しく艶っぽい?特集名だった。曰く「女の口紅はなぜ。赤いのか?」…想像がつくようで、実は意外な事実や考証もありそうで。刺激的なタイトルであるのは確かだ。


 帰宅し、件の雑誌を開くと、これがかなり面白い。巻頭対談は京都大学総長の山極寿一氏とかの茂木健一郎氏である。ここでの結論を職場で口にすれば、セクハラと言われかねないが、ひどく興味深い。私が言っているわけではないからと予防線を張りながら引用する。「ゴリラのメスを見れば、女性の本質がわかる」


 霊長類学者が述べることにはいちいち納得させられた。その筋は省略するが、対談の最後に山極氏が動物の生態から結論付けた次のことは、耳を傾けたい。提言の重みを私達も自覚すべきだ。「少子化問題は単体の母子にお金をかけるのではなくて、地域で子どもを育てる仕組みをつくらないと解決しないでしょうね」


 「女ゴコロの科学入門」も蘊蓄が深い。「『美人は性格が悪い』という話は本当か」というテーマは、動物行動学の竹内久美子氏が書いている。その答えは×のようだ。直接的な研究はないが、美人は「チヤホヤされて」「素直な性格」となり「長生き」するという。ブスは同じことをしても感謝されず、その結果…ああ。


 肝心の特集テーマへの結論も竹内氏が書いている。これはチンパンジーの発情期との関連が特定されている。つまりは性的な興奮の信号としての「赤」。当然色彩心理学との関連もあるだろう。予想されたことだ。いずれこんな知識を披露しても、人間社会の不平等の解決に役立たない気がする。それも貴重な学びだ。