すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

詠んでも呑んでも山頭火

2015年02月24日 | 雑記帳
 サラリーマン川柳が発表され、思い出したことがあった。

 昨年、秋田県で行われた国民文化祭で、大潟村が「川柳の祭典」を催し、全国から作品を公募した。
 その入選作品集が先月学校へ送られてきたので、ちょっと借りて読んでみたことがあった。

 俳句や短歌に比べて気安く読めるし、小中生の出品にも興味があった。

 気分転換用に読み出したのは、友人たちと小宴を開いた次の日。
 少し二日酔気味だったので、題が「酒」のところに自ずと目がいった。

 特選になっている二つの作品は、あまり好みではないな。
 準特選が7句あり、この中で特にいいと思うものがあった。

 満月や貧しい鬼と酌み交す(山本毅)

 一人酒に相違ない。少し作り過ぎの印象もあるが、なんといっても「貧しい鬼」という表現がぴったりとはまる。

 佳作のなかにも好きだなと思う数首があった。

 酌む程に世界だんだん小さくなり(鈴木田鶴子)

 酒ビンが転がる今日が捨ててある(四分一周平)

 酒の方がどうも私を好きらしい(真島美智子)


 なんだか、山頭火や放哉の句のように思えてくる。
 みていくと、「ずばり」?というものもあった。

 酒呑んでちょっと近づく山頭火(堀 正和)

 これは素直すぎて面白みが今一つの気もする。


 では、どんなふうに変えるか、と勝手に遊んでみる


 酒呑んで山頭火にちょっと近づく

 なかなかではないか。でも、平凡だ。


 山頭火に近づくために酒を呑む

 こんな決意をする人がいるわけがない。


 連想から妄想を働かせてみる。

 酒呑めば近づいてくる山頭火

 呑んでも呑んでも白いまま

 呑んでる姿のよろけていくか



 と、結局パロディか。

 キーボードを打っていると、呑みたくなってきた。