すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

健康オタク、覚悟をもつ

2015年02月17日 | 読書
 【2015読了】20冊目 ★
 『「空腹」が人を健康にする』(南雲吉則  サンマーク出版)

 「健康オタク」と家人に嘲笑されている。知識を持つことは悪いことではないし、サプリメントだって信じて飲めばそれなりだろうという考えはある。健康本を読む割合は1割以下かもしれないが、自分が信じている考えに出会えると嬉しいのでつい手が伸びる。このベストセラーは当然以前から知ってはいた。読まなくとも、理論はなんとなくわかっていた。


 この本の「一日一食」は「半日断食」の考え方に近い。当然、批判もあるだろうが、とにかくこうした健康法志向を目指すなら、従来の常識にとらわれず信じたい方法をやってみることだ。そこでこの本からのお薦めは、以下の三つ。「一物全体で完全栄養を摂る」「たった3分間で一万歩ぶん歩ける」「偉大なるワンパターン生活」。日常改善で効果が期待できる。



 【2015読了】21冊目 ★★★
 『健康に生きる覚悟』(森村誠一 KADOKAWA)

 八十代の現役作家。文壇における健康オタク?として五木寛之と双壁かもしれない、と勝手に解釈した。上の著と違いずいぶんとページの端を折った。「社会生活を自分に合うように調教する」「(ここから先はいらないという)限界効用の切り替えポイントを自分の体に刻み込む」「予定立役者は若返るのではなく、常に若いのである」…主体的な暮らしの設計の話。


 こんなきつい一言がある。「現代人は便利性の奴隷になっている。『便奴』という人間の最低辺である。」読み流してはいけない。つい昨日も職場のコピー機がうまく作動せず、連続コピーにできないことに苛立ってしまった。たかがその程度のことでも、人は便利になるとなかなか前地点までは戻れない。ここで踏み止まった方がいいという決断をする年齢だろう。


 この著の特徴に、「補筆 本書に登場するキーワード」がある。ここに書かれている書名にも使われている「覚悟」の文章が素晴らしい。私のような読者対象を意識してのことか。少し長いが引用する。

・覚悟 
 人生の区切り点における新たな決意。過去を否定する場合もあれば、過去を踏まえて軌道変更することもある。 
 個人的な改革であり、覚悟が必ずしもよい結果をもたらすとは限らない。人生の博打でもあり、射幸心が強い。
 ただし、覚悟なき人生は、句読点のない文章のようにのっぺらぼうになる。