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桜と絵本と豆乳と

幸せを呼ぶ行為とは

2015年06月24日 | 読書
 【2015読了】58冊目 ★★★
 『幸せの仕事術』(小山薫堂  NHK出版)

 この本は2年前に読んでいる。
 新刊がきれたので、なんとなく書棚を見ていて再読したくなったものだ。

 前の感想で「置き換え」という発想で、日常や仕事を見ていくことを書いていた。
 我ながらなるほどと思ったが、自分が継続していくためにはもう一工夫が必要だろうか。


 さて、今回読み直しをしながら改めて思ったこと。
 何度も繰り返して書かれているように、著者を突き動かしている思いとは「人を喜ばせたい」という一点である。
 そのために考え、行動する。その結果を自分が喜ぶ、または惜しがる…それらの筋道すべてを肯定していく姿勢が徹底している。

 かといって、強固というイメージではなく、自然体なのだ。

 エピソードとして面白いのは、次の二つだった。

 一つは大学での講義。ある女性の作ったカレーは、女性が誰かを明かさないままでは、食べたい者はいなかったが、その女性が誰か知ると、全員が食べたいと手を挙げた。
 これこそ、人はモノを買うのではなく物語を買うという至言の納得度を高めるいい例だ。

 さらに、次の一言はこの物質があふれる社会、生活において、非常に大事な目のつけどころを表していると思う。

 身近にあるものに目を向け、「もったいない」「無駄である」と思ったものに、何かもうひと手間加えることで、みんなを幸せにするいいアイデアが生まれるんです。

 これは食生活に関して、我が家にも凄まじく実践している者がいる。
 残りモノの再利用率の高さは限界に近い(笑)ように思う。

 それ一つでも尊敬に値するのかもしれない。
 それはまた、幸せを呼んでいる行為なのかもしれない。