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興味にそって動けば…

2015年09月18日 | 雑記帳
 数か月ぶりに買った月刊誌『ソトコト』10月号(木楽舎)が面白かった。

 特集は「みんなの多様性・ユニバーサルデザイン」。
 特集に入る前の福岡伸一教授の連載の内容も興味深かった。
 「ガン治療の画期的な展望」と題して、こんなことを書いている。

 もし究極のガン治療があるとすれば、それは内なる敵としてのガン細胞と正面から戦うことではない。むしろ、ガン細胞に「君は、もともとちゃんとした大人の細胞だったはずだろ。正気を取り戻したまえ」と諭すことである。


 ガンは自分自身の細胞が変化したものだから、細菌やウィルスと異なる「戦い方」があるのだろう。
 それにしても、巧い比喩だと思う。
 よくガン患者の奇跡的な治癒(山登りをしたらガンが消えたなど)が話題になったりするが、結局上のような「諭し」が、知らず知らずのうちに行われていたということだろうか。

 教授のエッセイは、基礎研究段階としてそうした動物実験が成功したことを書いている。自前でやれればそれに越したことはない。諭す力を身につければ不老長寿か。


 多様性という特集のトップは、「探検昆虫学者」という肩書?を持つ西田賢司氏へのインタビュー。
 コスタリカという国で18年も研究を続けているらしい。
 昆虫の多様性に目をつけることで、様々なものにつながっていくことができるのだと言う。

 テレビドラマの「相棒」をよく観ていると語り、次のように続けた。

 ほかの人が気にならないところが気になる右京さんは、僕と同じです(笑)自分の興味に沿って動いていくと、その結果が他の人が求めていることにつながったり、大きく展開していったり、まさに「相棒」的な展開をすることがある。


 これは先日書いた感覚的思考の薦めと言ってもいいことだと思う。
 養老先生も昆虫好きで知られており、どこか共通するイメージがある。

 多様性の原点は多種であること、つながりがあること。
 切り口を見つけて探っていく、新しい発見をしていく…仕事の醍醐味とはそんなふうに意義づけられる。
 
 何事も興味に沿って動くことを可能にする環境づくりに尽きるような気がしてきた。
 そのためには、周りからどう見られようと揺るがない信念を持つことなのかな。