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「実感」「典型」そして「多様さ」

2015年09月26日 | 雑記帳
 家庭科の授業を考える場合のキーワードの一つに「実感」がある。実感を伴わせるためには、どんな方法があるか。もちろん題材によってそれはまちまちだ。しかし原則はあるだろう。まず「モノ」があり、準備する場合、これは直接的に訴えかける一番のものだ。それによって何か共通体験を得られれば出発点になる


 その準備ができない、何かで代替する場合はどのようにするか。これは「思い出させる」必要がある。「経験」に働きかけることだ。そのためには一定の質量を、子どもたちが頭の中に思い浮かべられることが必要だ。全ての児童に共通した経験があればいいが、そうとも限らない。少しリサーチが必要な点と言える。


 リサーチをもとに、ある程度の「典型」を作り、イメージさせておくことが一つの実感となるだろう。そして比較対象を登場させる。これは基本的に差異をどれだけ出して、どんなふうに絞り込むかだ。だからこそ、拡散型の発問指示と、集中型の発問指示を使い分けねばならない。基本は、拡散→集中となるだろう。


 「○分間で、できるだけたくさん見つけよう」から、「○○に当てはまる(この言い方のパターンは多様だが)ものはどれか」といった流れで組みたてられる。たとえば「掃除の工夫」を例にすると、後者の発問は「△△するための工夫と言えるのはどれか」と言った絞り込みが考えられる。十分に汎用的な発問だと思う。


 口任せに書いて反省する…さて、実生活に一番近い学習が「小学校の家庭科」である。材料に事欠かない。ただ、今その家庭生活を全て取り上げられるかと言えば、結構な配慮が要求される。生の材料を扱いにくい状況が広がりつつある。「家庭」が見せている貌の「多様さ」。個々を大切にする学びの困難さが見える。