すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

「建」…まっすぐに堂々と歩く

2017年02月11日 | 雑記帳
 土曜日なので、なんとなく祝日気分が薄れているようだが、今日は「建国記念の日」。暦を見て気になったのが「建国」の二文字だ。「建」という漢字を使う他の熟語ってあまり思い浮かばない。建国はあるが、建県、建市なんていうのは聞いたことがない。建設、建立、建材などあとは実際に建築するものばかりだ。


 漢和辞典では「建〇」の見出しは16個だった。「建議」「建白」を除くと、やはりモノを建てること関連である。何故「国」だけなのか。『常用字解』の建の項目を見ると、儀礼的な意味が大きい。実際に建物をつくって都の位置を定め、「建国(新しく国をつくる)」されるという記述がある。初めに中心ありきなのである。



 字解では別だが、一般的に「建」は会意文字であり、「聿」(筆をまっすぐ立てる)と「廴」(すすむ)の組み合わせから出来ている。従って「体をまっすぐにたてて堂々と歩くこと」を表している(大漢和辞典)。そこからしっかりとたてるとの意になったようだ。実に清々しいというか、しゃっきりしたイメージがある。


 何がこの国の基本なのか明確にしないと、なかなか真の意味で「建国」は難しい。どの部分で共通理解を持てるのかも、議論が分かれる。それを世界はけして鷹揚と待っていてはくれない。だからと言ってジタバタしないこともこの国の流儀ではなかったか。浅学な頭でも、国難を乗り越えてきた歴史は知っている。