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心の見せ方はいつも

2017年07月23日 | 教育ノート
 最近、視察や撮影等で「こども園」を訪れる機会が数回あった。また研修の場にお呼びがかかったこともあり、書店で久しぶりに教育書コーナーに立ち寄ってみた。時々手にしていた雑誌『児童心理』を懐かしく思い、ページをめくる。特集は「ほめ方上手・叱り方上手」…何年かごとに必ず登場する、永遠の課題か。


 この特集テーマに沿って、自説を述べれば、「ほめ方が上手でなければ、叱り方は上手にはならない」…「上手」と限定するのは難しいかもしれないが、少なくとも「ふだんほめられていなければ、叱られても効果がない」ということは言えるだろう。そう言えば、PT(ペアレントトレーニング)に通ずると思った。



 小児科医であり特別支援教育の実践者でもある横山浩之先生を、当町にお迎えして講演を聴いたのは、ちょうど2年前である。あの時のお話の中にも出てきたPTの芯は、子どもの行動を三つに分けた対応だった。曰く「増やしたい行動をほめる」「減らしたい行動を無視する」「絶対に許せない行動をすぐに止める」


 その優先順位を間違わず実行することが、家庭であれ教室であれ重要である。そして、二番目の「無視する」という手法は、最初の「ほめる」抜きには成立しない。「ほめる」行為の積み重ねによって、相手にしない、無視する「意味」をつかめるのである。結果、無視が子どもの行動を変え、ほめることにつながる。


 原則を学び、経験を積んでも、なかなか思うようにいかない場合がある。それだけ対象者が多様になっているからか。心理を探ったり、言葉を吟味したりすることはもちろん重要だが、もしかしたら一番は「笑顔」。それも心からの笑顔で接することと今更だが思う。顔や表情に「」が見えることを誰もが知っている。