すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

雨にうな垂れ沙羅の花

2017年07月07日 | 雑記帳
 あれは2009年の7月下旬。夏休みに入ってすぐに休暇をもらい、家人とともに5泊6日の九州旅行へ向かった。仙台空港から福岡空港への直行便を利用しお昼頃に着く。レンタカーを借りて、最初に向かったのは太宰府天満宮。熱く強い陽射しから急に薄暗く曇りだし、突然のにわか雨に見舞われたことを覚えている。



 その夜は福岡に泊まり、屋台の店などを廻った。強く降りだしたのは夜も更けてからだったか。翌朝、九州自動車道を使って長崎へ。通行止めはなかったが、途中ずいぶんと強い雨に叩きつけられた。正確な場所は忘れたが自動車道の下がまさに洪水状態になっている景色を、驚きの目で見つめながら走った記憶がある。


 もっと驚くことを、その夜のニュースで知った。自分たちがレンタカーで走った自動車道の法面が崩落し2名が死亡する事故があった。私たちが通った30分ほど後だ。しかも2人は夫婦で、教師だった。全く見知らぬ人とはいえズキンと心が痛んだ。人の一生はわからない、紙一重というが、実感せざるを得なかった。


 楽しく印象に残る旅だったがその時の痛みも覚えていた。今回の九州豪雨被害を画面で見つつ、ふとまた思い出してしまった。死者、不明者が多く痛ましい災害となった。当事者の方々は、二日前までまさか自分が自宅がとは考えていなかったろう。私たちはそこに想像を巡らし心備えをすることぐらいしか出来ない。合掌。