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「北」はキタけど背を向けて…

2017年12月12日 | 教育ノート
 思わず「キターーーーッ」と叫びそう(笑)。何の因果か、北に住む私たちが暴風雪の日に「今年の漢字」が「北」に決まった。別に予想もしていなかったが、その内訳を見るとなるほどね、という感じがする。挙げられた理由をみると、キビシイ・ツメタイ系が多いようだ。語自体が放つイメージ通りと言ってもいい。



 「」を手元にある辞書で調べてみる。5つ開いてみたが意外にあっさりしていて「四方の一つ」である他、地名や姓名などに留まっている。一つだけ明鏡がこんな意味を書いている。「北極点に向かう方向」…定義的な解釈とでも言えばいいか。その説明は、厳しさや冷たさが感じられるので個人的なベストとしよう。


 全校集会などで「漢字の話」をするのが定番の一つだったが、この「北」は絶好のネタだった。それは象形文字や会意文字のでき方として、人間の身体を使う例がいくつかあるが、該当するのである。大体の流れを言えば、一人の子を使って、「大」や「立」という漢字の成り立ち(体を広げさせて)を説明してから……


 「二人の体を使って出来た漢字もあります」と言い、形をとらせクイズにする。それは「」と「」。(二人がどんな姿勢をとるか、想像できるだろう)。簡単な図と正解の漢字を用意しておいて示す。そして次に二人で「」という形をとってもらう。ステージ上でやらせるので、演ずる子どもたちもニコニコだった。

 
 「」の形を左右対称に配置する。「北」とは「左と右の両人が背を向けてそむいたさまを表す」会意文字である。「背」の漢字に「北」があるのもそこに由来する。背を向ける寒い方角も表し、背中を向けて逃げることを「敗北」とも言う。ただ、核心の「北」の問題(我ながら上手い)には背を向けられないよ、と戒める。