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ショーの正体は…

2017年12月28日 | 雑記帳

(今年の美酒メモリー①)

 愛想しながら「ンダガラナ、ショ」と稚児相手に言葉を発したら、周りに「その言葉、久々に聞いた」と笑われてしまった。「ショ」の方である。そういえば、自分でもこの頃使った記憶がない。昔はずいぶんと口にし、耳にしたが…。どちらかというと男言葉か。『秋田のことば』で確かめようとしたが、載っていない。


 誰かに呼びかけたり、何か確認したりするときに使うことばであるはずだ。手元にある他の資料にないか、探してみた。『東由利の方言』(H2・東由利町教育研究所)には「しょ」の見出しがあった。説明は「衆。他人を呼ぶとき使う」とあり、例として『仙北ショ』と載っている。これはこの辺りでは「シュ」だろう。


 『秋田ことば』(北条忠雄・さきがけブック)には「ショー」と見出しがあった。こんな解説である。「平鹿・雄勝方面の農村地帯には、主として青少年男子に用いられるらしいが、よびかけと第二人称を兼ね持ったような独特のショーということばがある」さらに「親愛の気持ちのこもった第二人称」という記述もある。


 そうだ!「親愛」を込めて使うものだ。「エグ来たナ、ショー」「ショ、早グ行ゴデァ」のような感じだったなあ。平鹿・雄勝の西部の分布らしいからぴったりだ。ふと、幼い頃に親戚の同年代の子が使った「」。を思い出す。これも似ている。「ヤヤ」が「貴方はどうする、どう思う」を意味したのは少し衝撃だった。