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ある意味、最大級の代名詞

2019年05月19日 | 雑記帳
 だらりとTVのケンミンショーを観ていて、津軽弁コーナーで「ナエガカエガ」という声が聞こえた。若干アクセントが違う気もしたが、この辺りでも結構使われる。しかし、この頃はあまり耳に入ってこないし、口にしない。これは方言というより訛りだろう。類例に「なえもかえも」「なえでがかえでが」などがある。


 「なえがかえが」は「なにかかにか」であり、漢字を入れると「何か彼にか」。見出しにはおそらくないだろうなと電子辞書を引いてみたら、なんと「和英大辞典」に載っていた。例文は「君はいつも何かかにかしている」。「何か」だけで通じるので、「彼(か)」は「何」に付いて、語呂をよくし強調もしているようだ。


 こう考えていって、あっ「なにもかも」という言葉は「何も彼も」かと、今さらのように気づく。それはやや強引にまとめれば、「何」という身近にある事物と「彼」という離れてある事物、さらに言えば、見えるものと見えにくいもの、その両方つまり「全部、すべて、何事も」を指すわけだ。二語で括れることが凄い。


 ちなみに「なにか」と辞書を引くと(PCでの変換は難しいが)「何彼」が出てくるわけで、この語をもとにした句はたくさんある。「なにかに」「なんとかかんとか」「なんやかんや」「なんでもかんでも」…「なんでんかんでん」という全国区のラーメン店名もその類である。「何彼」とはある意味で最大級の代名詞だ。