シャラランメイン講師・栗澤純一の本試験大胆予想
今回で連載3回目になりますが、
「労働者災害補償保険法(選択式)」を大胆に予想してもいらいます。
択一対策としても、極めて重要な項目ですので、しっかりと読んでください。
☆―― 「通勤」に注目! ―――――――――――――――――――☆
【根拠】「通勤」の定義の改正
【労災保険の保険給付】
1 業務災害に関する保険給付
2 通勤災害に関する保険給付
3 二次健康診断等給付
労災保険の保険給付は、この3つで構成されています。
このうち「通勤災害に関する保険給付」の支給に係る「通勤」の定義
そのものが改正されたのですから、その重要性についてはいわずもがなです。
さらに・・・この改正のポイントは、「通勤の範囲の拡大」、つまり、労働者
保護をより手厚いものとしたことにあります。近年、年金給付や雇用保険の
基本手当の支給水準の引下げなど、受ける側にとってはありがたくない改正
(皮肉をこめて「改悪」なんていわれることも・・・)を続けていた行政にして
みれば、ここはぜひともアピールしておきたい・・・誰しも頑張ったときは周囲
に気付いてもらいたいものですよね。いずれにせよ、出題対象とされる可能性
は高いものと思われますので、ここできちんと確認しておきましょう。
【通勤の定義(法7条2項)】
通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び
方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
1 住居と就業の場所との間の往復
2 厚生労働省令で定める( A )から他の( A )への移動
3 1に掲げる往復に( B )する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件
に該当するものに限る)
☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆
A:就業の場所 B:先行し、又は後続
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
改正により、通勤の範囲に2及び3が含まれることになりました。
2はいわゆる二重就職者の事業場間の移動、
3は単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居との間の移動ですね。
ちなみに、この改正は労働安全衛生法等の改正と足並みをそろえて行われたものです。
と、いうことで、その改正趣旨を思い出してみると・・・
「就業形態の多様化の進展等社会経済情勢の変化の中で、労働者の安全と
健康の一層の確保等を図るため、製造業等における労働災害を防止するため
の措置及び長時間労働者等の健康を保持するための措置を充実強化する
とともに、労働者災害補償保険における通勤災害に係る通勤の範囲の拡大及び
有期事業に係る確定保険料の特例の改正を行うほか、事業主等による労働
時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するため特別の措置を講ずる」
でした。しっかりと「通勤災害に係る通勤の範囲の拡大」がうたわれています。
この改正趣旨は、前回、労働安全衛生法対策としてご紹介したものですが、
労災保険法対策としても重要ということですね。
「通勤に注目!」というと、条文を丸暗記しておしまい、なんてことになりがち
ですが、やはり改正は根っこの部分をきちんと押さえておきたいですね。
法律を改正するということはそれなりの理由があるのですから・・・ちなみに、
条文丸暗記ですと、前述の「二重就職者」や、改正趣旨にある「就業形態の多様化
の進展」なんていう部分が空欄として抜かれた場合・・・おそらくアウトですよね。
では、条文にこだわる必要はないのかというと、そうとまではいいきれないん
ですね(これが社労士試験の難しいところです・・・)。たとえば、通勤の定義の
うち、3をご覧ください。最後に「厚生労働省令で定める要件に該当するものに
限る」とされていますよね。平たくいうと、「単身赴任者の赴任先住居と帰省先
住居との間の移動であっても、すべてがすべて通勤として取り扱われるわけでは
ない」ということです。つまり、その移動に必要性が認められなければいけない
のです。
具体的には、対象労働者が次の要件に該当していなければなりません。
前提:転任に伴い、転任の直前の住居と就業の場所との間を( A )することが
( B )を考慮して困難となったため住居を移転した労働者であること
イ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住して
いる配偶者(内縁関係を含む)と別居することとなったもの
・配偶者が、要介護状態にある労働者又は配偶者の父母又は同居の親族を( C )
すること
・配偶者が、学校等に在学し、又は職業訓練を受けている同居の子(18歳年度末
までにある子に限る)を養育すること
・配偶者が、引き続き就業すること
・配偶者が、労働者又は配偶者の所有に係る住宅を管理するため、引き続き当該
住宅に居住すること
・その他配偶者が労働者と同居できないと認められる上記4つに類する事情
ロ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住している
子と別居することとなったもの(配偶者がないものに限る)
・子が要介護状態にあり、引き続き転任の直前まで日常生活を営んでいた地域に
おいて( C )を受けなければならないこと
・子(18歳年度末までにある子に限る)が学校等に在学し、又は職業訓練を受けて
いること
・その他当該子が労働者と同居できないと認められる上記2つに類する事情
ハ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住している
労働者の父母又は親族(要介護状態にあり、かつ、労働者が( C )していた父母
又は親族に限る)と別居することとなったもの(配偶者及び子がないものに限る)
・父母又は親族が、引き続き転任の直前まで日常生活を営んでいた地域において
( C )を受けなければならないこと
・父母又は親族が労働者と同居できないと認められる上記に類する事情
ニ)その他イ)~ハ)に類する労働者
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
さすがに、これを一字一句丸暗記する必要はないでしょうけれども、改正が
子の就学や家族介護について一定の配慮を示したものであることは押さえておき
たいですね。
☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆
A:日々往復 B:往復の距離等 C:介護
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
以上、労災保険法の大胆予想でした。
今回で連載3回目になりますが、
「労働者災害補償保険法(選択式)」を大胆に予想してもいらいます。
択一対策としても、極めて重要な項目ですので、しっかりと読んでください。
☆―― 「通勤」に注目! ―――――――――――――――――――☆
【根拠】「通勤」の定義の改正
【労災保険の保険給付】
1 業務災害に関する保険給付
2 通勤災害に関する保険給付
3 二次健康診断等給付
労災保険の保険給付は、この3つで構成されています。
このうち「通勤災害に関する保険給付」の支給に係る「通勤」の定義
そのものが改正されたのですから、その重要性についてはいわずもがなです。
さらに・・・この改正のポイントは、「通勤の範囲の拡大」、つまり、労働者
保護をより手厚いものとしたことにあります。近年、年金給付や雇用保険の
基本手当の支給水準の引下げなど、受ける側にとってはありがたくない改正
(皮肉をこめて「改悪」なんていわれることも・・・)を続けていた行政にして
みれば、ここはぜひともアピールしておきたい・・・誰しも頑張ったときは周囲
に気付いてもらいたいものですよね。いずれにせよ、出題対象とされる可能性
は高いものと思われますので、ここできちんと確認しておきましょう。
【通勤の定義(法7条2項)】
通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び
方法により行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする。
1 住居と就業の場所との間の往復
2 厚生労働省令で定める( A )から他の( A )への移動
3 1に掲げる往復に( B )する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件
に該当するものに限る)
☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆
A:就業の場所 B:先行し、又は後続
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
改正により、通勤の範囲に2及び3が含まれることになりました。
2はいわゆる二重就職者の事業場間の移動、
3は単身赴任者の赴任先住居と帰省先住居との間の移動ですね。
ちなみに、この改正は労働安全衛生法等の改正と足並みをそろえて行われたものです。
と、いうことで、その改正趣旨を思い出してみると・・・
「就業形態の多様化の進展等社会経済情勢の変化の中で、労働者の安全と
健康の一層の確保等を図るため、製造業等における労働災害を防止するため
の措置及び長時間労働者等の健康を保持するための措置を充実強化する
とともに、労働者災害補償保険における通勤災害に係る通勤の範囲の拡大及び
有期事業に係る確定保険料の特例の改正を行うほか、事業主等による労働
時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するため特別の措置を講ずる」
でした。しっかりと「通勤災害に係る通勤の範囲の拡大」がうたわれています。
この改正趣旨は、前回、労働安全衛生法対策としてご紹介したものですが、
労災保険法対策としても重要ということですね。
「通勤に注目!」というと、条文を丸暗記しておしまい、なんてことになりがち
ですが、やはり改正は根っこの部分をきちんと押さえておきたいですね。
法律を改正するということはそれなりの理由があるのですから・・・ちなみに、
条文丸暗記ですと、前述の「二重就職者」や、改正趣旨にある「就業形態の多様化
の進展」なんていう部分が空欄として抜かれた場合・・・おそらくアウトですよね。
では、条文にこだわる必要はないのかというと、そうとまではいいきれないん
ですね(これが社労士試験の難しいところです・・・)。たとえば、通勤の定義の
うち、3をご覧ください。最後に「厚生労働省令で定める要件に該当するものに
限る」とされていますよね。平たくいうと、「単身赴任者の赴任先住居と帰省先
住居との間の移動であっても、すべてがすべて通勤として取り扱われるわけでは
ない」ということです。つまり、その移動に必要性が認められなければいけない
のです。
具体的には、対象労働者が次の要件に該当していなければなりません。
前提:転任に伴い、転任の直前の住居と就業の場所との間を( A )することが
( B )を考慮して困難となったため住居を移転した労働者であること
イ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住して
いる配偶者(内縁関係を含む)と別居することとなったもの
・配偶者が、要介護状態にある労働者又は配偶者の父母又は同居の親族を( C )
すること
・配偶者が、学校等に在学し、又は職業訓練を受けている同居の子(18歳年度末
までにある子に限る)を養育すること
・配偶者が、引き続き就業すること
・配偶者が、労働者又は配偶者の所有に係る住宅を管理するため、引き続き当該
住宅に居住すること
・その他配偶者が労働者と同居できないと認められる上記4つに類する事情
ロ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住している
子と別居することとなったもの(配偶者がないものに限る)
・子が要介護状態にあり、引き続き転任の直前まで日常生活を営んでいた地域に
おいて( C )を受けなければならないこと
・子(18歳年度末までにある子に限る)が学校等に在学し、又は職業訓練を受けて
いること
・その他当該子が労働者と同居できないと認められる上記2つに類する事情
ハ)次のいずれかに掲げるやむを得ない事情により、転任の直前の住居に居住している
労働者の父母又は親族(要介護状態にあり、かつ、労働者が( C )していた父母
又は親族に限る)と別居することとなったもの(配偶者及び子がないものに限る)
・父母又は親族が、引き続き転任の直前まで日常生活を営んでいた地域において
( C )を受けなければならないこと
・父母又は親族が労働者と同居できないと認められる上記に類する事情
ニ)その他イ)~ハ)に類する労働者
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
さすがに、これを一字一句丸暗記する必要はないでしょうけれども、改正が
子の就学や家族介護について一定の配慮を示したものであることは押さえておき
たいですね。
☆―― 問題の解答です ――――――――――――――――――――☆
A:日々往復 B:往復の距離等 C:介護
☆―――――――――――――――――――――――――――――――☆
以上、労災保険法の大胆予想でした。